昨年4月の消費増税を前に昨年3月はスーパー、ドラッグで駆け込み需要が大きかったがその反動減が今年の3月に顕著に表れている。食品スーパーのダイイチ(本社・帯広市)は昨年3月比96・2%、ドラッグストアのツルハホールディングス(HD)も既存店ベースで93・9%でこの1年間で最大の落ち込みを示した。(写真は、ダイイチとツルハの東旭川店)
食品スーパーの優等生、ダイイチもさすがに今年3月は前年比で大きく落とした。昨年3月の駆け込み需要は、各スーパーとも想定内の伸びだったため、一巡する今年3月はそれほどの落ち込みはないと見られていた。しかし、ダイイチでも昨年4月の反動減(95・7%)に次ぐ大きな落ち込みを余儀なくされた。
部門別の売上高前年比は次の通り。
■青果 100・9%
■水産 102・4%
■畜産 106・5%
■惣菜 103・7%
■デイリー 100・1%
■一般食品 89・1%
■日用雑貨 82・6%
■その他 70・2%
これらを見ると、生鮮三品と惣菜部門は前年をクリアしているものの、日持ちのする一般食品や日用雑貨品は大きく落ち込む構造になっている。これは、どのスーパーでも同じ現象で、これらの2部門はディスカウントストア(DS)にお客が流れていることも一因となって落ち込みが大きいと見られている。
なお客数は前年3月比99・0%、客単価は同97・2%。
ツルハHDの3月度(ドラッグストアは慣例的に15日締めのため2月16日から3月15日まで)は、既存店ベースで93・9%、新店82店を含めた全店ベースでは112・2%だった。既存店では昨年の消費増税後の反動減を記録した5月度(91・1%)よりは落ち込みは少ないものの、この1年間では2番目のマイナス幅だった。既存店では客数96・3%、客単価97・5%で客数と客単価がダブルで前年割れしたのは昨年5月以来となった。
気になるのは、新店を含めた全店ベースで客単価が減少、98・7%になったこと。商品値上げが進んでいる中での客単価減少は、買い控えが浸透していることを端的に示していると言えそう。なお、この数字はツルハHDの直営店1364店の統計でフランチャイズ店舗は含んでいない。