イオンモール(本社・千葉市)は27日、同社としては初となる駅直結の「イオンモール旭川駅前」をグランドオープンした。人口約34万人、北海道第2の都市、旭川だけでなく道北の稚内や名寄などからも集客が見込めるほか、札幌からも観光ショッピング客を引き寄せることも可能になりそう。また、海外観光客の来店も期待でき道北経済にインパクトを与えそうだ。(写真は、イオンモール旭川駅前のオープンを記念して行われたテープカット)
27日は午前8時半から、イオンモール旭川駅前の平和通買物公園側に面した宮下通入口前で、YOSAKOIソーランチーム「すさび」による演舞や旭川商業高校吹奏楽部によるカーペンターズメドレーが演奏された後、西川将人旭川市長や関係者らがテープカットを行った。この日、並んだのは1800人。24日からの3日間は地域住民や高齢者を対象にソフトオープンを実施、期間中に訪れたのは約10万6000人で、この数は予想集客数よりも多かったという。
(オープン前には約1800人が並んだ)
建物は、駅に直結した地上1階~11階で1~4階がイオンモール、5階から上はホテルのJRインが入っている。モールは、正方形のフロアで延床面積は約4万7200㎡、売場面積は約2万8800㎡。設計、施工は西松建設、建物自体はJR北海道などが建設した。1階の核店舗がイオン北海道の食品とヘルスビューティケア(HBC)のほか食物販、2~3階はファッション、雑貨等専門店、4階はレストラン街とシネマコンプレックス。
リアルエコノミーでは、「イオンモール旭川駅前」のグランドオープンに関係したシリーズ記事を今回から順次掲載していく。1回目は、27日のグランドオープン後に行われた記者会見でイオンモール吉田昭夫社長の語った概要を実況掲載する。
(会見するイオンモールの吉田昭夫社長)
「イオンモールとしては道内初出店のモール。国内では141店目、本年の出店は5モールだがその1号店になる。これまでは、昨年秋に開業したイオンモール京都桂川、イオンモール岡山など地下道などで駅と隣接したモールはあるが、当モールのように駅に直結するジョイント出店は初めて」
「外観は、駅を中心に進む新たなまちづくりと調和するようなデザインを取り入れた。駅前広場に面する東側の壁面には、300インチのモニターを設置、地域情報発信の場としている。買物公園側のメーンエントランスは、買物公園との一体感を演出するため地域の新たなシンボルとするような庇を広げた形にしている」
「核店舗は1階のイオン旭川駅前店で、1~4階までに約130の専門店が入っている。全国初出店が5店舗、道内初出店が17店舗で約半数が旭川初出店の専門店の構成」
「1階は駅直結で通勤や通学、道北観光の玄関口の立地を考えてイオン旭川駅前店のほか19店舗で食物販の強化を図った。フードコートは約700席で10店舗入っている。4階のレストラン街をはじめこれまで地域になかった味を提供し市外、道外、海外のお客様にも旭川や北海道の味を楽しんで欲しい。4階には駅前の立地を生かして、8スクリーンのシネマコンプレックスがあるほか旭山動物園とコラボレーションしたアミューズメントのソユーゲームフィールドなどを導入した」
「物販店舗として札幌丸井今井のエムアイプラザを2階に導入するなど旭川に出店のなかったファッションや雑貨品のほか、地域のニーズを熟知した地元の専門店にも出店していただいた」
「当モールの大きな特徴として観光振興の取り組みがある。1階のインフォメーションでは館内情報にとどまらず旭川総合観光情報センター(あさテラス)と連携し、周辺の観光案内や公共交通機関の案内をしている」
「海外からのインバウンド対応では、館内フリーWi-Fiや海外冷凍冷蔵宅配サービスの導入、13店舗で始める免税サービスなどがある」
「旭川観光基本方針に賛同し、オール旭川の一員として観光振興に積極的に取り組む。1月29日には旭川市とイオンとの間で包括連携協定を締結したが、取り組みの第一弾として3月5日より旭川WAONカードの発売を開始した。このカードを通した買い上げ金額の一部は、旭山動物園の魅力向上と中心市街地の賑わい創出による地域経済活性化の取り組みに寄附する」
「隣接する平和通買物公園と様々な取り組みを企画している。直近ではスタンプラリーの開催がある。これによってJR旭川駅、買物公園、当モールの送客を双方向で行い回遊性を高める。今後も様々な取り組みでコラボレーションを続けていきたい。イオンモール旭川駅前は地域の皆さまにとってなくてはならない施設として末長く期待に応えるようチーム一丸となり地域の一員として努力していく」
(続く)
(2~4階は吹き抜けのエレベータでモールの上質感がある)