2014年の北海道流通小売界振り返り10~12月編

流通

 2014年北海道の流通小売業界の振り返りパート3として、10~12月を見てみよう。新規出店・リニューアルが7~9月に続き集中し、とりわけドラッグストア業界の陣取り合戦は熾烈を極めた。また、ディスカウント(DS)旋風も留まることを知らず、道内各地で低価格競争が一段と進んだのが10~12月だった。IMG_1517(写真は、11月21日に建て替えオープンしたコープさっぽろしがイースト店)
 
 10月は、トライアルカンパニーが3店舗を新規出店、スーパーの低価格競争に拍車をかけた。1日の「スーパーセンタートライアル岩見沢店」(岩見沢市)、15日の「同北見中ノ島店」(北見市)、22日の「同釧路川端店」(釧路市)で、資材高、人件費高、人材難のこの時期に新店3店をドミノ出店したことにスーパー各社は脅威を感じつつも対応に追われた。
 トライアルへの対抗の意味合いから、24日にはマックスバリュ北海道がDS業態の「ザ・ビッグ岩見沢店」(岩見沢市)をリニューアル、トライアルへの値合わせを訴求する局地戦に向け態勢を整えた。ちなみに、同店は北海道ジャスコ時代の「マックスバリュ」2号店として開店、2010年4月に「ザ・ビッグ」に業態転換した店舗。
 
 17日には、札幌市厚別区のホクノーが旗艦店であるもみじ台ショッピンクセンター(SC)内の「中央店」を四半世紀ぶりに全面リニューアルするため一時閉店、同SC2階に仮店舗を設けて営業を始めた。また、北雄ラッキーは、函館市内に3店舗目となる衣料単独店「桔梗店」を退店したツルハ店舗跡に居抜き出店した。
 
 同じ17日は家具・インテリア量販店のニトリが「新道店」(札幌市東区)を建て替えオープン、衣料専門店のジーユーは「フレスポ帯広稲田店」(帯広市)を開店した。ホームセンター業界では、苫小牧市のフジタ産業からハッピーワンを買収したホーマックが23日に「浦河店」(浦河町)、30日には「日新店」、「柳町店」を継承してリニューアルオープンさせている。
 
 ドラッグストア業界は、まさに怒涛の出店ラッシュが続いた。まず、サッポロドラッグストアー。16日「函館大縄店」(函館市)、23日「苫小牧日新店」(苫小牧市)、30日「伏見啓明店」(札幌市中央区)と3週連続で新店オープン、ツルハも1日に「ポールタウン店」(同)、9日「苫小牧旭町店」(苫小牧市)をオープンさせている。
 
 11月に入ってもサツドラの出店が続く。6日「月寒西1条店」(札幌市豊平区)、13日「恵庭新町店」(恵庭市)、20日「宮の森店」(札幌市中央区)、、27日「江別一番町店」(江別市)と、この月は毎週新店オープンを記録した。ツルハは、21日に「東札幌店」(札幌市白石区)を新規オープンしている。
 
 スーパーでは、コープさっぽろが4月から建て替えで一時閉店していた「しがイースト店」(登別市)が7ヵ月ぶりにオープン、大見英明理事長は「昨年来続けてきた食品売場リニューアルの到達点をこの店に具現化した」と胸を張った。25日にはホクレン商事の「ホクレンショップ北49条店」(札幌市東区)をリニューアルした。
 
 また、作業衣・作業用品チェーン店のワークマンが北海道に初上陸し7日に「札幌手稲店」(札幌市手稲区)をオープン、14日にニトリが「旭川4条店」(旭川市)、27日にはデンコードーが「ケーズデンキ厚別店」(札幌市厚別区)をヤマダ電機の既存店の向かいに出店した。
 
 12月は、流通小売業界にとって一年で最大の書き入れ時。3日はホクレン商事が「エーコープやくも店」(八雲町)を、5日はホクノーが「中央店」をリニューアルオープンさせている。6日にはアークスグループの道南ラルズが新店の「大縄店」(函館市)をオープンさせて道南地区でのシェア拡大に弾みを付けた。12日はマックスバリュ北海道が「札幌フードセンター新道店」(札幌市東区)を都市型小型スーパー業態の「マックスバリュエクスプレス新道店」として衣替え、19日には全日本食品が直営スーパーとして展開するスーパーエースの「花川店」(石狩市)を居抜き出店している。
 
 ホームセンター業界の黒船、コメリの展開する大型店「コメリパワー苫小牧東店」(苫小牧市)が5日にお目見え、作業衣・作業用品のワークマンは道内2号店として「札幌北36条東店」(札幌市東区)を5日にオープンさせた。6日には、リユース品販売とレンタルの総合ショップ「スーパーセカンドストリート大谷地店」(札幌市厚別区)がベスト電器店舗跡に居抜きで出店した。サツドラは、12日に「小樽若松店」(小樽市)を新規オープンさせている。
 
 今年1年間の流通小売業界の新規出店やリニューアルを3回に分けて振り返ってきたが、特徴的なのはトライアルカンパニーの1年間7店舗という高速出店とサツドラ、ツルハの丁々発止とも言える出店バトルだった。来年、2015年はさらに競争が激しくなるのは確実な様相。リアルエコノミーでは、道内流通小売業界の動きを来年もさらにリアルにドラマチックに報じていく。

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