コープさっぽろ(本部・札幌市)は18日、新築する江別食品工場(仮称)の地鎮祭を行った。大見英明理事長や三好昇江別市長、設計・監理の清和設計事務所、施工を担当する宮坂建設工業の関係者ら約50人が出席した。大見理事長は、「求人難で1年間繰り延べしてようやく着工することができる。150万組合員に安全で安心な商品をさらにレベルを引き上げて供給できるようになる」と述べた。(写真左は大見英明理事長=左と三好昇市長、写真右は新工場建設地)
江別食品工場は、江別市西野幌のRTNパーク内に約3万5000㎡の敷地を確保して建設。第一次計画として約2万2000㎡を使い、鉄骨2階建て延べ面積約6800㎡の工場を来年6月末完成を目指して着工する。投資額は約26億円。
築後35年以上が経過した石狩工場(石狩市新港西2丁目)の老朽化と狭隘化に伴って設備更新が必要になったため、コープの物流センターや全道から集められてくる段ボール類などのリサイクルを行っているエコセンターなどが集中する江別市内に新工場を建設、ロジスティクス機能を充実させることにしたもの。
石狩工場で生産している豆腐や揚げ、惣菜、米飯類を移管し、江別新工場が本格稼働する2015年度で37億円を生産する。2年目から黒字を予定し6年7ヵ月で投資を回収する。石狩工場で生産している品目の7割が新工場に移るが、こんにゃくや白滝などは引き続き生産、また配食事業を行っている白石工場も石狩工場内に移す計画。
コープさっぽろは、4年前から石狩工場の再構築を検討、当初は建て替えも計画したが水を多用するため当別ダム完成で石狩の水道料金が値上げされることなどを勘案、安価な水源のある江別市RTNパークへの移転新築を3年前に決定していた。
着工が遅れたのは、新工場に必要な400人規模の求人を確保する見通しが立たなかったため。今年に入って中国人技能実習生96人を市の協力を得て受け入れ、石狩工場から新工場に移る約200人のパート従業員と合わせて稼動の見通しが立ったことから1年遅れで着工にこぎ着けた。
三好市長は、「江別市はフード特区のエリアであり商工会議所や市内の4大学と連携して食の付加価値化も推進している。コープさっぽろの新工場は食を柱にする江別市のフラッグシップになる工場だ」と語っていた。
江別食品工場は、住金システム建築を採用し機能本位で外観はシンブル。江別産のレンガも工場正門に採用するという。