アークス(本社・札幌市)、イオン北海道(同・同)、マックスバリュ北海道(同・同)の道内流通3社の2014年2月期第1四半期(3~5月)決算は、各社とも売上高を前年第1四半期より伸ばしたが営業利益率や売上総利益率では差が出た。アークス、マックスバリュ北海道は営業増益になったが、イオン北海道は0・9%の営業減益。期中の消費増税の影響を勘案した各社の販売戦略で落差が出た。(イオン北海道は営業減益になった=写真は、イオン千歳店)
アークスの営業利益は31億400万円で前年同期間比3・7%増。売上高営業利益率は2・6%から2・7%に0・1ポイント上昇した。部門別売上高は、食品917億2600万円(0・2%増)、酒類等80億4200万円(0・9%増)、住居関連62億3700万円(9・3%増)、テナント35億5500万円(0・2%増)、不動産賃貸収入12億300万円(2・2%増)、衣料品9億6300万円(18・2%増)、医薬品3億7200万円(1・5%減)など。
期中の対前年売上高は全店100・4%、既存店100%、客数は全店98・9%、既存店98・5%、客単価は全店、既存店共に101・5%だった。客数減を単価アップで補った格好だ。
イオン北海道の営業利益は22億7600万円で前年より0・9%減少。売上高営業利益率は前期の5・3%から5・1%へ0・2ポイント減少した。部門別売上高は、食品213億200万円(2・1%増)、衣料89億2800万円(0・2%増)、住居余暇86億9400万円(0・3%増)など。期中に、コンビニ型食品スーパー「まいばすけっと」を4店舗出店した。
既存店の客数は、99・4%で客単価は101・8%、販売点数は99・1%。客数減を客単価アップで補ったものの、販促費が7億5400万円と前期より11・7%アップ、販売費も8億8700万円と9%増加したことが営業利益率の引き下げ要因。
マックスバリュ北海道の営業利益は1億400万円で前年比2・4倍になった。売上高営業利益率は前期の0・19%から0・4%に上昇した。期中の3月に「マックスバリュ北野店」(札幌市)、4月「マックスバリュ堀川店」(函館市)、「マックスバリュ滝川本町店」(滝川市)、「マックスバリュ元町店」(札幌市)、5月「マックスバリュ共和店」(共和町)の5店舗を改装。
新店を含めた全店売上高は110・1%、客数は106・1%、客単価は103・8%となり既存店の売上高は10年9月から45ヵ月連続で前年同月を上回った
売上総利益率では、アークスが23・78%から24・18%に高まったが、イオン北海道は27・06%から26・84%、マックスバリュ北海道も21・39%から20・85%へ低下している。
消費増税を挟んだ第1四半期は、各社とも消費動向の変化をどう読むかで価格戦略に違いが出た。低価格を強く訴求しなかったアークスは経営指標を安定的に伸ばしたと言えそうだ。