コープさっぽろが道産鶏肉の比率を30%から75%に拡大、牽引役「いぶり鶏」販売目標約10億円

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DSCF0138 コープさっぽろ(本部・札幌市)は、店頭で販売する鶏肉の道産比率を昨年度の30%から今年度中に75%に高める。牽引役となるのは今年度から取り扱いを始めた「いぶり鶏」で初年度1600t、輸入も含めた鶏肉全体で40%に高めていく。コープさっぽろが重点テーマに掲げる「北海道へのこだわり」、「道内循環型経済への貢献」の一環として取り組む。(写真は、店頭で販売されている“いぶり鶏”のコーナー)
 
 コープさっぽろが店頭で扱っている鶏肉は、国産比率が85%だが大半は東北の「みちのく鶏」。道産は「知床鶏」など網走管内の鶏肉が主体で30%の取扱い。コープさっぽろでは、北海道のこだわり商品としてPB(プライベートブランド)化を図るなど道産食材や素材を積極的に取り入れており、数年前から「みちのく鶏」にとって代わる道産鶏肉を調達するため胆振の供給業者と連携を深めてきた。
 
 今回、勇払産いぶり鶏を生産する東日本フード札幌食品工場と伊達産いぶり鶏を生産するプライフーズ伊達工場の供給体制が整ったため今年度から(3月21日~)店頭で「いぶり鶏」の取扱いを本格的にスタートさせた。
 
2工場で生産される鶏肉は、飼育中に病気にかかりづらくなるビタミンEを餌に添加しているほか休薬期間を2週間以上にするなど安全面で配慮、肉質もやわらかくなるという。
  
 価格は、もも肉で㎏当たり98~158円。取扱い後の売れ行きは「計画値の120%」(生産本部畜産部)で想定を上回る伸びを示している。
 
 コープさっぽろでは、今年度の道産鶏肉販売量を2300tと予定、そのうち「いぶり鶏」を1600t、「知床鶏」を500tにする考え。目標金額は「いぶり鶏」が9・7億円、「知床鶏」は4・8億円(鶏肉全体は約21億円)。道産鶏肉の拡大で、循環型経済の一助にしたい考え。
 
 「いぶり鶏」の産地を抱える胆振総合振興局の田邊隆文局長は、「胆振地域は食肉用の鶏が約300万羽と全道の約6割飼育されており鶏肉の大生産地だが、あまり知られていない。コープさっぽろの安全で美味しい『いぶり鶏』を通じ、多くの消費者に胆振地域に関心を持っていただければ嬉しい」とコメントしている。

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