コープさっぽろが3セク「ハートタウンはぼろ」(羽幌町)に出店、地方の中心市街地核施設への居抜き出店のモデルケースに

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DSC_6613DSC_6626 コープさっぽろ(本部・札幌市)は25日午前9時、109店舗目となる「はぼろ店」(苫前郡羽幌町南3条2丁目)をオープンさせた。空き店舗になっていた第3セクター運営の「ハートタウンはぼろ」1階に居抜き出店したもので、開店前には約300人が行列を作ってほぼ2年ぶりに同施設に食品スーパーが復活するのを待ち侘びた。コープさっぽろでは、「はぼろ店」出店を契機に、他の地方でも中心市街地で空き店舗になっている物件があれば出店を検討する。(写真左はテープカットに臨む関係者、写真右は買い物客でごった返した店内)

 

 オープンに先立ち行われたセレモニーには、コープさっぽろの山口敏文専務理事、舟橋泰博町長、岡崎一智留萌振興局長、ハートタウンはぼろの石川士史社長(石川商店代表取締役)らが出席。
 
 山口専務理事は「2年前に出店要請を受けた時は断った経緯があるが、町長や道議会議長、副知事から熱心な要請を再度受けたため条件は厳しいが地域の核店舗として活性化を応援することにした」と出店経緯を含めて挨拶。舟橋町長は、「コープさっぽろの地域活動とも連携して地域を守り活性化していくことに貢献したい」と述べた。
  その後、関係者によるテープカットや朝一番で並んだお客によるクスダマ割りでオープンを祝った。午前9時のオープン後も、買い物客が後を絶たず店舗前には入店の順番を待つ人たちで溢れた。
 
「ハートタウンはぼろ」は、中心市街地活性化法に基づくTMO(タウンマネジント機関)として町や地元商店主らが出資した3セクが2005年にオープンさせた3階建ての施設。1階には地元スーパーが出店、2階には地元の衣料店・八幡屋、3階は商工会などが入居したものの1階の食品スーパーは1年経たずに閉鎖。その後は留萌本社の中央スーパーが羽幌の既存店舗を移転して営業していた。
 しかし、思ったほどの売上げが見込めず賃料交渉も難航して2年前に退店、中心市街地から賑わいが失われた状態が続いていた。
 
 コープさっぽろは、内装や什器搬入に約1億円のリニューアル投資を実施したうえで出店、惣菜や精肉は石狩や江別の工場から搬送する体制を整えた。売場面積は約250坪でパートアルバイトに約30人を新規に雇用、年間売上高は5億円を見込む。
 
 コープさっぽろは、今後、「はぼろ店」を拠点にして初山別町や遠別町、天塩町に移動販売車を走らせる。また、要請があれば空き店舗になっている地方の中心市街地施設に生鮮特化型スーパーを積極出店していくことにしている。

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