北海道産牛乳、乳製品の常設カフェとしてホクレン農業協同組合連合会(本所・札幌市中央区)が3月6日に東京都目黒区自由が丘にオープンさせた「MILKLAND HOKKAIDO→TOKYO」。開店2ヵ月で約4万5000人が来店、北海道の酪農、乳製品の魅力発信の場として役割が期待されている。(写真は、東京・自由が丘にある「MILKLAND HOKKAIDO→TOKYO」)
出店の背景には、TPP11や日EU・EPA発効による海外産乳製品の増加に対する危機感がある。牛乳は国産100%だが、現在でも乳製品は生乳換算で半分以上が既に海外産。協定発効でさらに輸入乳製品の輸入が進む可能性もあり、国内、とりわけ全国生乳生産の55%を占める北海道の酪農を持続可能にするためには消費者の理解が必要としてカフェの出店を決めた。
これまでも3年前の東京ソラマチを皮切りに、大阪、二子玉川、吉祥寺、渋谷で同名の「MILKLAND HOKKAIDO→TOKYO」を期間限定で出店、一定の成果を上げてきたが、さらに強力にアピールする必要があるため初の常設カフェ開設に踏み切った。
店舗は、東急東横線、東急大井町線「自由が丘」駅から徒歩3分の自由が丘1丁目26ー16の山川ビル1階(33・2坪)と2階(31・6坪)を利用。普段は首都圏で手に入らない北海道牛乳を常時10種類以上販売しているほか、道内のチーズ工房のこだわりのチーズなどを多数用意している。大きな牛のモニュメントも設置、北海道酪農を伝える映像の放映、親子で参加できる料理教室など体験型カフェとして「モノ消費」、「コト消費」、「トキ消費」の拠点を目指している。
来店客からは、「種類の多さに驚いた」、「道産チーズの味はまだまだと思っていたがとても美味しくて驚いた」、「3日に1回は牛乳を買いに来る。もう他の牛乳は飲めない」、「生クリームやソフトが美味しい」などの声が寄せられている。
「想像以上の来店客があり、客層も幅広い。道産牛乳・乳製品を使った飲食メニューの提供とともに北海道酪農の情報発信に意義があると実感している」(ホクレン広報)と話している。
今後は、飲食メニューの充実とともに生産者と消費者の交流イベント、乳業メーカーによる北海道ブランド商品のPRなど生産者と乳業メーカー、消費者が一体となって北海道の牛乳、乳製品のストーリーを共有していく場に進化させる考え。