2025年3月15日のJR北海道ダイヤ改正で廃止される、日本最東端の駅「東根室駅」。廃止は、利用客の減少だが、地元、根室市では、冷静な受け止めが多い。むしろ、最東端が終着駅の「根室駅」になることで、周辺開発の機運も高まる機会になるという声が多い。(写真は、日本最東端の駅「東根室駅」)
「東根室駅」は、今から63年前に、根室高校の生徒たちの通学用に仮駅として設置された。最近では、バス利用が進み、駅を利用する生徒は、ほとんどいなくなったという。今でこそ、「東根室駅」は、日本最東端の駅として知られているが、「東根室駅」がなかった頃は、終着駅で始発駅でもある「根室駅」が、文字通り日本最東端の駅だった。
もっといえば、1959年に廃止になった、私鉄の根室拓殖鉄道の終点「歯舞駅」があったことに加え、「根室駅」から延びていた、根室港貨物支線の終点だった「根室港駅」もあって、いずれも当時は、最東端と言える駅だった。
今回の「東根室駅」廃止について、石垣雅敏・根室市長は、「花咲線の存続に向けて、駅廃止で経費が削減できる方が良い。JR北海道と花咲線存続に向けて、さまざまに協議しているが、根室駅始発の1本を減便したのも経費削減の一つだった」と明かした上で、「終着駅、始発駅の根室駅が文字通り、日本最東端の駅となることで、駅を中心にした開発プランを前に進めたい」と話している。
具体化にはまだ時間がかかるものの、最東端の「道の駅」を併設するプランや、日本のサウナ伝来の地として、駅前に本格的なサウナを備えたホテル建設などが想定されている。地元では、「東根室駅」廃止の落胆よりも「根室駅」の活性化に繋げようという、前向きな声が多い。