運輸業や大型オフィス家具・OA機器設置などを行っている大真運輸(札幌市東区)は、グループ事業拡大のため、修学旅行生を対象にスキーレンタルなどを展開しているジャパンレンタル(同市北区)の株式を取得、子会社化した。ジャパンレンタルは、後継者難で事業承継先を合同会社企業法務Matching(同)を通じて探していた。大真運輸による子会社化は、2021年7月12日付け。(写真は、大真運輸によるジャパンレンタルの株式取得調印式。左端が大真運輸・高橋信行社長、左から2人目がジャパンレンタル・橋本雅江前代表取締役)
大真運輸は、1971年11月に設立され、今年が創立50周年。通常の配送業務に加え、単身、ファミリー世帯の引っ越し、官公庁や民間企業の移転業務のほか、オフィスの新設や事業拡大に伴うOA機器設置、大型オフィス家具の棚、備品等の組み立て施工にも取り組んでいる。運送に従事する社員が、搬入や取付設置まで複数の作業を一貫して手掛けているのが強み。また、冬季は除排雪作業にも取り組んでいる。社員数は約40人。
ジャパンレンタルは、主として関西の高校生や中学生の修学旅行を対象に、スキーやスノーボード、ウェア一式をレンタルする事業を年間60件程度受注しており、創業は1962年6月。冬季は、こうした修学旅行生向けのレンタル事業、それ以外のシーズンは北海道大学の留学生がガイドを務める北大キャンパスツアー、富良野でのラフティング体験や農業体験を行っている。年商は約1億円だが、昨年はコロナ禍による修学旅行の中止で3割程度の減収になっている。
ジャパンレンタルでは、創業者の死去に伴い、夫人の橋本雅江氏が代表取締役に就任して事業展開をしてきたが、高齢に伴い事業承継を模索。企業法務Matchingの仲介により、大真運輸が全株式を取得、子会社化した。社員5人は引き続き雇用、橋本氏は顧問に就いた。
大真運輸社長で、ジャパンレンタルの代表取締役に就いた高橋信行氏は、「ジャパンレンタルは、修学旅行や体験学習の提案を行うなど旅行代理店や教育機関の信頼度が高い。今後はスポーツ選手と生徒たちとの交流イベントなども提案していきたい。また、大真運輸とのシナジーも構築していきたい」と話している。近年の修学旅行では、あらかじめ生徒のキャリーバッグを訪問先に配送しておくのが一般的。大真運輸では修学旅行でスキーレンタルを利用する学校に働きかけ、こうしたキャリーバック輸送も一貫して受注していく考え。