JALの経営撤退に伴うHAC(北海道エアシステム)新体制づくりのタイムスケジュールが見えてきた。年度内に始動させるのが至上命題になっており、自治体や企業からの出資にもメドがついた。今後の焦点は、新生HACのトップ人事。「航空業界に精通した人物」が、絶対条件なのだがーー。(写真は丘珠空港を出て行くHAC航空機)
新生HACを年度内にスタートさせるためには、36・5%を出資する筆頭株主として道は道議会の議決が不可欠。出資と丘珠移転に係る行政支援は資金支出が必要なために道議会の決議事項になり、トップ人事については報告事項になる。
いずれにしても「出資」「行政支援」「トップ人事」の3点セットは道議会に上程しなければならない。
そのタイムスケジュールは、2月2日の道議会新幹線・総合交通体系特別委員会、10日知事会見、中旬第1定例道議会で、これらにそって新生HACの中身を順次報告、最終的に議会で議決していくことになる。
道議会では第1定例会の冒頭で補正予算を審議議決することを「5定補正」と言う。定例議会は第4回までしかないが、1定の冒頭ということで慣例的にこう呼んでいる。
道の出資額と行政支援額の合計は3億円程度になりそう。新生HACをスムーズに離陸させるためには議決は早ければ早いほど良いが、「5定補正」の議決は厳しい情勢。
1定の会期は3月9日まであるため、この期間中には3点セットが審議される。
新生HACを導いていくトップには誰が選任されるのか。今のところ全く見えていない。昨年には航空業界に詳しい人物としてJALのOBが就くというのが暗黙の了解事項だったが、JALはトップを出さない意向で、出したとしても副社長までにとどめる意向だという。国土交通省OBの就任という可能性もあるが、北海道という限定されたエリアでのコミューター航空のトップを受け入れる国交省OBがいるのかどうか。
1定会議中に3点セットを全て審議しなければならないとすれば、トップ゛の人選に時間をかけている余裕はない。これから全国公募ではタイムオーバーだ。
と、すると消去法で道庁高官ということも十分考えられる。