JALの経営撤退に伴って、北海道エアシステム(HAC)の新しい経営体制の構築が道を主体に進んでいる。年度内に新生HACをスタートさせるべく目下詰めの作業が続いている。
HACの新体制移行に伴って道は10億円の道費が必要としているがその内訳が次第に明らかになってきた。
新生HACは拠点を新千歳空港から丘珠空港に集約するが、道はその丘珠集約にかかる費用として4億円を想定している。この中には、7月に丘珠から撤退して新千歳に拠点を集約したA―netが使用していた格納庫取得費用も含まれている。


格納庫取得は、道と札幌市が共同で行うことになっているが、費用分担を現在調整している段階。また、格納庫を所有する全日空との調整も合わせて行っている。
また、HACが現在リースで使用しているサーブ340の機材購入には5億円を見込んでいる。HACが使用しているのは、サーブ340が3機。そのうち1機がリースだがリース契約は現在、JALが債務保証を行っている。HACはJALの経営からの撤退によって子会社ではなくなるため債務保証が継続できない。機材買い取りは避けられないからだ。
ただ、サーブ340は既に製造が終了しており、座席数も36と少ないため新たな機材購入も考えられるが、道は今後10年間は現行機材の3機で経営を継続することを前提にしており、5億円の資金調達方法を検討してリース機材を購入する考えだ。
HACはJAL51%、道49%をそれぞれ出資していたが、JALの出資比率が14%程度になり道は36%の筆頭株主になる。道職員の出向についても新たな考え方が必要になるが、道は今後検討していくとして出向方針は未定のままだ。
これまでは、道は6人を常勤の取締役として出向させており、路線や便数のとりまとめと関係自治体、国との調整作業に当たらせていたという。
新生HACの社長については道から言及はないものの、札幌市からは「航空業界のプロでなければならない」(丸田剛久市民まちづくり局理事)という注文が出ている。
(写真は道が5億円で購入を決めているサーブ340)

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