タクシー業界への参入自由化で増えすぎたタクシーを減らして、運転手の賃金アップを目的にした特別措置法が出来ておよそ9ヵ月が経った。各地域の交通圏でタクシー台数を自主的に削減する動きが進んでいる。


札幌市や石狩、江別、北広島各市を含む札幌交通圏でも個人を除いた約5200台のうち、10%にあたる520台を来年に掛けて削減する取り組みが進んでいる。(写真は減車が必要と決めた札幌交通圏タクシー事業適正化・活性化協議会)
札幌ハイヤー協会に加盟している61社のうちで減車するのは46社で、各社の事情に合わせて段階的に削減されるが、既に減車した法人もある。減車効果がどれほどあるのか、注目を集めているが最初の数値が公表されるのは6月30日。実車率が向上しているのかどうか、関係者は気を揉んでいる。
こうした減車の取り組みはあくまで業界の内向きの取り組みで、肝心の利用者の利便性が高まらなければ元も子もない。
そこで業界が取り組もうとしているのが、ワンメーターでも気持ちよく乗ってもらう運動。長時間の客待ちをしてワンメーターの利用では運転手も腹が立つのも分からないではないが、そんな態度が少しでも見えれば利用者にとって決して気持ちの良いものではない。むしろ、ワンメーターなら控えようと思うのが当然だ。
業界では、『ワンメーターだからこそ大切に』を合言葉に、気持ちよく乗ってもらうための運動を今後繰り広げる方針だ。これまでもこうした運動には取り組んできたが、今回ばかりは死活問題だけに徹底して取り組む決意を見せている。
場合によっては、タクシー運転手の登録証を没収する強硬策で浸透を進める考えだという。労働組合も積極的にこの運動に取り組んでいく考えで、減車とサービス向上を両輪に実車率アップを労使協調で進めていく。
フェース・トゥー・フェースの公共交通機関としてタクシーに出来ることは多いのではないだろうか。

この記事は参考になりましたか?