札幌と大阪を結ぶ豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」が12日に最後の運行を迎えた。1989年に運行を開始したが、JR西日本が車両の老朽化などを理由に昨年5月に定期運行を廃止することが明らかにされていた。26年間の幕を閉じる便は、札幌駅を14時6分に出発、約1時間後には苫小牧駅に到着。わずかな停車時間の後、短い汽笛を鳴らして出発して駅に隣接した王子製紙苫小牧工場の横をすり抜けて行った。(写真は、苫小牧駅を出発するトワイライトエクスプレス)
トワイライトエクスプレスは、札幌と大阪の間を日本海側の線路を通って結ぶ寝台列車。距離は約1500㎞で所要時間は約22時間。青函トンネルが開通した1988年の翌年から毎週数回運行する臨時列車として走り始めた。列車の所管はJR西日本で車両老朽化と3月14日の北陸新幹線開業に伴うダイヤ改正で廃止されることが昨年決まっていた。
札幌から五稜郭間は、ディーゼル機関車DD51が重連で10両の車両を牽引、その後、牽引する機関車は、五稜郭と青森間が交流電気機関車のED79、青森と大阪の間は交直両用電気機関車のEF81へと交代する。
札幌駅では約1000人が最後の雄姿を見送ったが、苫小牧駅周辺ではトワイライトエクスプレスを見送る人の姿はまばら。普段通りに車が行き交う中を、普段通りに最終便が駆け抜けていった。憧れや旅情を駆りたてた国内最長の寝台列車が幕を閉じた。
(王子製紙苫小牧工場の脇をすり抜けて行くトワイライトエクスプレスの最終便)