低料金タクシーの札幌エムケイ(本社・札幌市白石区)元運転手29人が、同社を相手取って未払い賃金約3500万円の支払いを求めて提訴していた問題でこのほど和解が成立した。札幌エムケイは、元運転手29人に総額2000万円を支払う。運転手の勤続年数によって和解額は違うがおよそ請求額の半分程度と見られる。(写真は、札幌エムケイの本社)
札幌エムケイの集団提訴は、2012年12月から始まった。元運転手7人が未払い賃金の支払いを求めて札幌地裁に提訴。続いて、翌年春には元運転手22人が同様の提訴を行い、二つの事件は併合して審理されることになった。
訴えていたのは、勤務実績が7ヵ月から3年の30~40代の元運転手。彼らの主張によると、当時札幌エムケイが定めた労働時間は実際に走行した時間のみで、送迎客の待ち時間や入庫後の洗車・点検業務、入金作業などは労働時間に組み入れられておらず、これらを反映した給与が本来得られたはずとして差額分を求めたもの。
原告らは毎日1~2時間、こうした業務を行っていたことから毎月の不払い分は5万円以上になるとして平均1人当たり120万円、総額3500万円の不払い請求を行っていた。
札幌エムケイ側は当初全面的に争う姿勢を見せていたが、15年1月に札幌エムケイが原告29人に総額2000万円を支払うことで和解が成立した。弁護士の成功報酬などが差し引かれた1700万円ほどが勤務実態に合わせて原告29人に支払われる。
札幌エムケイは、京都に本社を置く「低料金で良質なサービス」を謳うタクシー会社、エムケイの現地子会社として09年9月から札幌交通圏に新規参入、タクシー40台で営業を始めた。現在は100台を保有し従業員は約230人。同社のホームページによると、売上高は11年度14億2700万円、12年度14億2000万円、13年度14億4200万円となっている。