道銀の2025年3月期決算、兼間祐二頭取「いろんな意味で決して頑張ったとは言えない」

金融

 ほくほくフィナンシャルグループ(本社・富山市)の子会社、北海道銀行(本店・札幌市中央区)の2025年3月期決算は、一般企業の営業利益に当たるコア業務純益が、179億円と前期より17%(25億円)増加、当期純利益は、119億円と前期より40%(34億円)増加した。当期純利益は、ほくほくFG設立後では、2016年3月期の134億円以来の水準となった。(写真は、決算発表をする道銀・兼間祐二頭取=ほくほくFG副社長=右)

 預金量は、2025年3月の末残で6兆941億9700万円で、前期末に比べて、568億5300万円増加した。貸出金は末残で4兆5757億4300万円となり、前期末に比べて、2244億5600万円の増加になった。一般企業の売上総利益(粗利)に該当するコア業務粗利益は、556億円と前期比35億円の増加となり、そのうちの資金利益は513億円、前期比49億円の増加となった。資金利益の内訳は、貸出金利息収入が468億円(前期比50億円の増加)、有価証券利息収入は61億円(前期比10億円の減少)、役務取引等利益、いわゆる非金利収入は65億円(前期比4億円の減少)になった。

 一方、経費は、376億円と前期比9億円の増加となったが、経費率(OHR)は67・72%と前期より2・78ポイント低下した。経常利益段階では、与信関係費用として、一般貸倒引当金利繰り入れの戻り益13億円があったが、個別貸倒引当金繰り入れが62億円あって、差し引き49億円と前期より62億円の増加となった。国債等債券損益が、78億円の大幅増となって、129億円と前期比67%増加した。

 兼間祐二頭取は、2025年5月12日の決算発表で、「長くマイナス金利が続いてきた中にあって、収益の増加が見込めない時期が続いた。2024年度は、金利が動くようになって、高収益につながったことが大きい。しかし、50億円弱の大きな不良債権処理をしており、これが平年並みなら当期純利益はもっと増えた。また、退職給付信託の解約益37億円が、特別利益として計上されており、2024年度決算は、いろんな意味で、頑張ったとは決して言えない」と話した。

 ほくほくFGの2025年3月期のコア業務純益は、前期比25%増の554億円、当期純利益は、34%増の390億円だった。当期純利益は、FG設立後では、2007年3月期の406億円に次ぐ水準で、最近10年間では最高になった。配当は、通期で前年対比10円増配の50円とする。2026年3月期予想は、ほくほくFG(北陸銀行・道銀の2行合算)がコア業務純益1465億円(2025年3月期比3%増)、純利益395億円(同1%増)。道銀単体のコア業務純益は600億円(同7%増)、純利益は110億円(同8%減)を見込む。ほくほくFGは、40億円上限の自己株取得などで株主還元を手厚くして、通期で20円増配の70円とする。

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