北海道警察と北洋銀行(本店・札幌市中央区)、北海道銀行(同・同)の3者は2025年4月10日、「特殊詐欺等の被害拡大防止に係る情報連携協定」を締結した。(写真は、協定締結式。左から、北洋銀・津山博恒頭取、道警・伊藤泰充本部長、道銀・兼間祐二頭取)
この連携協定は、被害が深刻な特殊詐欺やSNS型投資ロマンス詐欺事件で、インターネットバンキングによる送金被害が多い状況を踏まえ、北洋銀、道銀、道警が連携。詐欺被害にあっていると判断した取引などに係る口座に関連する情報の共有を行うことにより、被害防止と被疑者の早期検挙を図るため、締結することにしたもの。
この日、道警本部13階の中会議室で、道警の伊藤泰充(ひろみつ)本部長、北洋銀の津山博恒頭取、道銀の兼間祐二頭取が出席して協定書に署名した。北洋銀の津山頭取は、「お客さまの資産を安全安心に守ることができるように、より一層工夫をしていきたい。この協定を、さらに実効性の高いものにしていきたい」と述べた。道銀の兼間頭取は、「いろいろな対策をたてながら被害防止に努めているが、特効薬がないのが現状。その中で警察の協定は、非常に意味がある。しっかりと生かして、道民の資産を守ることに全力を尽くしたい」と話した。
道警の伊藤本部長は、「SNS型投資ロマンス詐欺は、今年に入ってから増加スピードはやや遅くなっているが、昨年は被害件数、被害額ともに、一昨年の3倍を超える増加だった。特殊詐欺は、今年に入って昨年比8倍強、被害額は14倍超と急増している。最近の傾向として、インターネットバンキングを利用する送金被害が増えている。金融機関の窓口、ATMでの水際対策を講じることができないため、被害が長期化、高額化する傾向がある」と述べた上で、「今回、両行の協力を得て、これまでより一歩踏み込んだ対策として、詐欺被害にあっている可能性が高い口座や犯行に利用されている、可能性の高い口座の情報を提供していただけることになった。いただいた情報を迅速な捜査や被害拡大防止に生かしていきたい」とした。