旭川しんきん地域振興基金(武田智明理事長)が主催する第6回「カムイミンタル塾」が2023年8月26日、旭川信用金庫本店(旭川市4条8丁目)5階会議室で行われ、市内企業経営者ら約90人が参加した。今回のテーマは「地域経済活性化の条件」。ドラッグストアのサツドラホールディングス(本社・札幌市東区)の富山浩樹社長CEOが、「北海道ナンバー1企業を目指して~変わり続ける~」をテーマに講演した。(写真は、講演するサツドラD・富山浩樹社長CEO)

 富山氏は、「地域人口が5000人を切ると、多くの生活関連サービスが成り立たなくなる。また2025年以降、ミレニアム世代が多くなり、社会はよりサスティナブルなものを重要視するようになる。消費者の価値観が大きく変わるだろう」としたうえで、「サツドラは地域に深くコミットし、グループの成長と地域価値向上の両立を目指す。ご批判は多くあるが、そのためにドラッグストア1本ではなく、多角的な経営を目指していく」と語った。

 店舗で「モノ」を売る小売りから、「モノ×サービス」を提供する生活サービスの領域に拡大し、競合他社との違いを明確化、北海道発の地域課題解決モデルを提示するとした。中でも、「地域プラットホーム戦略」について、北海道共通のポイントカードとして、道民2・5人に1人が所有しているEZOCA(エゾカ)に言及。北海道コンサドーレ札幌やレバンガ北海道、ヴォレアス北海道など地域スポーツチームとコラボしたり、道内自治体と包括連携したりするなどして買い物額の一部を還元している具体例を紹介。

 EZOCAカードの保有率が江差町では92%以上、小清水町では連携後の2週間で80%に達したという。富山社長は「ドラッグ業界では、合併やM&Aが盛んだが、小社は〝差異化〟を志向する。店舗数や売上規模を競うのではなく、オンリーワンのかけ合わせで、ナンバーワンを目指す」と断言していた。

 この日の「カムイミンタル塾」では、元国税庁長官でベトナム簿記普及推進協議会理事長の大武健一郎氏も「人口減少下における旭川の役割~どうする日本、どうする旭川~」と題して講演。「夫婦共働きで子どもを育てるのは容易なことではなく、出生率を上げるには地域コミュニティの再生以外にはない」と強調していた。


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