北海道銀行と北陸銀行の持ち株会社であるほくほくフィナンシャルグループ(ほくほくFG)が会長ポストを新設、堰八義博副社長(57、道銀頭取)が昇格する人事を決めた。高木繁雄社長(64)は退任し北陸銀頭取も退き、新社長に庵栄信取締役(56、北陸銀常務執行役員)が就き北陸銀頭取にも昇格する。6月下旬の取締役会で内定し株主総会で正式に決定する。(写真は、ほくほくFGの新設される会長職に就任する道銀堰八義博頭取)
ほくほくFGは2004年に発足。預金量の多い北陸銀の高木頭取が社長、道銀堰八頭取が副社長を務める体制を9年間継続してきた。高木氏がほくほくFG社長と北陸銀頭取を退任することに伴い、庵氏が昇格、堰八氏は新設されるほくほくFG会長職に就くことになった。堰八氏は道銀頭取を継続する模様だが、今年6月で頭取就任10年の節目を迎えることから何らかの動きが出てくる可能性もある。
ほくほくFGの高木社長退任に伴い、堰八副社長の昇格も考えられた。しかし、預金規模で道銀より1兆3000億円多い北陸銀としては社長ポストを譲るわけにはいかなかった。年齢や経験から言ってもほくほくFG社長には堰八氏が適任と見られたが、“格上”の意識が抜けない金融機関の風土がそれを許さなかったものとみられる。
そもそも持ち株会社に会長職が必要なのかという意見もある。代表権があったとしても実質的な役務はそれほど多くないため、今回のほくほくFGトップ人事は金融機関同士の面子を保つための内向き人事と言えそう。傘下の事業会社とは異なり持ち株会社人事の難しさを示した今回のほくほくFG、持ち株会社の意義も改めて問われることになりそうだ。