北海道銀行(本店・札幌市中央区)は12月1日、札幌市中央区のTKP札幌ビジネスセンター赤れんが前で、道内4工業高等専門と4工業系大学と学校卒業生の地元就職を後押しするイベントを開催した。道内のものづくり系企業の担当者が、高専・大学の就職担当者などに、自社の研究開発などについて説明、学校側は企業に教育内容などを紹介して地元就職の環境を醸成していく催し。道内企業36社と8大学・高専が参加した。(写真は、道銀主催で開催された「COC+企業説明会」)

 道銀は、2008年に4高専(旭川、釧路、苫小牧、函館)と連携協定を締結。その一環として10年から卒業生の地元就職を後押しするため、企業の採用担当者と高専の就職担当者を集めた説明会を開催してきた。16年からは、文部科学省が推進する地方大学卒業生の地元就職を高める施策「COC+(センター・オブ・コミュニティ=シーオーシープラス)」と連動、工業系4大学(室蘭工大、北見工大、千歳科学技術大、北海道科学大)の就職担当者なども参加、規模を拡大して実施してきた。

 道内の高専・工業系大学の卒業生は、本州の企業に就職することが多かったが、多くの学生は地元での就職を望んでいる。地元にも優良企業が多い中で、こうしたミスマッチが起きていたのは、地元企業と高専・大学の交流不足が一因。道銀は、日常的な取引を通じて企業の財務内容や技術力を把握しており、有力企業を高専・大学に繋ぐことで地方の持続的な成長をバックアップ、ミスマッチ解消を狙った。

 今回は、道銀の取引先で技術や研究開発で実績のある地域のきらりと光る企業36社と高専・大学の担当者25人が参加した。企業は1社20分、高専・大学は1校10分間でそれぞれプレゼンを行った。

 道銀地域振興公務部の沼田和之部長は、「この取り組みを始めてから参加企業には高専卒業生が約30人、大学卒業生は約60人が毎年就職するようになった。先生方も道内企業の技術力の高さに理解を示すようになってきた。今後も地域金融機関として地域経済発展に繋がるよう尽力したい」と話していた。


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