地場証券である上光証券(本社・札幌市中央区)の新社長に伊藤博公副社長(55)が4月1日付で昇格する。松浦良一社長(66)は代表権のある会長に就く。(写真は、4月1日付で上光証券社長に就任する伊藤博公副社長)
上光証券は、レセプト債のデフォルト問題で個人投資家など販売先に約8億円を昨年12月末までに弁済完了しており、新社長の下でかねて予定されていた北洋銀行(本店・札幌市中央区)の完全子会社化を進める。
伊藤氏は、昨年4月に北洋銀行取締役法人部長から上光証券顧問に転じ、同年6月から代表権のある副社長に就いていた。松浦社長は、かねてレセプト債弁済にめどが付いた段階で50代の伊藤氏と交代することを明らかにしており、昨年末の弁済完了で社長交代を決めた。
松浦氏は、2007年6月に北洋銀行役員から上光証券に転じ、54歳で社長就任。株式中心だった同社の収益構造を「株式」「投資信託」「債券」の3本柱にした。今回、会長に就くが代表権を持つのは日本証券業協会北海道地区代表を継続するため。
上光証券は、2018年下期中に北洋銀行の完全子会社になる予定で、1935年の発足以来続いていた上光家との関係は解消される。現在、上光家は40%の株式を保有しているが、北洋銀行は自社株と株式交換するほか、アインホールディングス(本社・札幌市白石区)などが保有する株式も株式交換か時価で買い取って完全子会社にする。
これに伴って社名やロゴマークを一新する計画で、名称は「北洋証券」を軸に検討が進められそうだ。