北海道内の食品製造業などを対象に食品安全規格の普及促進・導入に向けて、北洋銀行(本店・札幌市中央区)と一般財団法人日本品質保証機構(本部・東京都千代田区)、北海道二十一世紀総合研究所(本社・札幌市中央区)は5日、包括連携協定を結んだ。HACCPやISO22000など国際認証についてセミナーや相談会を開催、認証取得を働きかけて北海道の食ブランドの価値向上、輸出促進を後押しする。同機構が金融機関とこうした協定を結ぶのは初めて。IMG_9616(写真は、5日午後北洋銀行セミナーホールで行われた協定締結式。右から順に北洋銀行・柴田龍副頭取、日本品質保証機構・小林憲明理事長、北海道二十一世紀総合研究所・中村栄作社長)

 政府は食品や農林水産品の輸出拡大、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据え、食品の安全衛生管理として欧米で義務付けられているHACCPを国内食品メーカーなどに義務付けることを来年の通常国会で制度化する方向。
 また異物混入など食品の安全に対する関心が高まっていることから、大手メーカーでは中小の食材納入企業などに安全規格の取得を促す傾向が強まっている。

 日本品質保証機構は、今年創立60年の安全規格に関する第三者認証機関。食品の世界的な安全規格であるHACCPなどの認証でも国内最大の認証実績がある。また、北洋銀は東京でのインフォメーションバザール開催などを通じて道産食品の販路拡大に積極的に取り組んでいる。今回、同機構から北洋銀に接触、食品安全規格の普及は道内食産業の付加価値向上に繋がることから、同銀系列のシンクタンクである北海道二十一世紀総研を交えた3者の包括連携協定を締結することになった。

 来年3月以降、北洋銀と取引のある食関連企業を中心に食品安全規格の必要性や認証取得に向けた取り組みなどのセミナー、相談会を道内各地で開催する。二十一世紀総研は、個別企業のコンサルティングで認証取得の協力をする。北洋銀は、認証取得に伴って発生する設備投資の資金需要や専門家の派遣でビジネスチャンスに繋げる。
 農水省調べによる直近の国内食品製造業におけるHACCP導入比率は、年商100億円以上で90%、同50億円以下では30%となっている。


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