マイナス金利で金融環境が悪化する中、道内基盤のほくほくフィナンシャルグループ(本社・富山市)と北洋銀行(本店・札幌市中央区)の株主総会が開かれた。ほくほくFGの今年の会場は富山市の北陸銀行本店で24日に、北洋銀は札幌市中央区のホテル札幌ガーデンパレスで28日に行われた。IMG_5792P1090045(写真上は、ほくほくFG株主総会のモニター画像。写真下は北洋銀株主総会のモニター画像)

 ほくほくFGの総会会場となった北陸銀本店会議室には株主265人、札幌中継会場のニューオータニイン札幌には156人がそれぞれ出席。北洋の総会には473人が出席した。所要時間は、ほくほくFGが73分間、北洋が59分間でほくほくは昨年37分間の倍、北洋は昨年の62分間とほぼ同じ所要時間だった。
 
 株主からの質問や意見は、ほくほくFGが合計11件に及んだのに対して北洋は1件のみ。同社の株主からは、今年1月以降、110円台と金融株としては低迷している株価についての質問が相次いだほか、道銀が1999年に発行した優先株537億円の償還を問うものが昨年に続いてあった。また株主総会の招集通知のディスクロージャーが不十分という指摘もあった。
 
 株主と議長を務めた庵栄伸社長との間が白熱したのは、優先株についての質問だった。株主が、「預金の運用で2%のサヤしかないのになぜ優先株に3%も払うのか。マイナス1%の資本を持っているのと同じではないか」と問うと、庵議長は「一瞬一瞬で見れば指摘は間違いなく正しいが、長期的な観点で収益基盤を作っていく中で最大の効果を出していきたい。自己資本比率の関係から3年後から優先株償還を考えたい」と答えた。
 
 これで議論は終わらなかった。その株主は「3年間も待てない。納得いかない。経営者なら今からやるべきで危機感がない」と指摘、議長が「申し訳なく思う。適時きちっと対応していく」と述べ、尾を引きながらも白熱バトルは終わった。
 
 北洋の質問は、有価証券運用について問うもので、国債金利の急騰などに備えたリスクヘッジをどうしているかについて、議長を務めた石井純二頭取は、「国債は平均4年保有に抑えている。毎週、有価証券運用会議を開いて個別銘柄にも対応している。様々な状況に備えている」と答えると、質問した株主からは「応援している」と激励の言葉が飛び出していた。
 
 ちなみに2社の株主総会招集通知を見ると、ほくほくFGは1色刷り44ページ、北洋はイメージカラーのライトブルーとの2色刷り60ページ。なお、北洋の取締役、監査役候補者欄にはカラー顔写真も掲載されている。


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