北洋銀行(本店・札幌市中央区)は25日、札幌市中央区のホテル札幌ガーデンパレスで第159期定時株主総会を開催した。株主388人が出席、2015年3月期の事業報告の後、配当金、取締役選任など5つの議案を拍手で了承、62分間で終了した。(写真は、総会議長を務めた石井純二頭取=モニター画面から)
議長の石井純二頭取は冒頭の挨拶で「市場金利の低下と運用マーケットの伸び悩みにより減収減益になったが、計画を上回る利益を確保した」と強調。14年3月期は公的資金前倒し返済のため有価証券の売却で過去最高益を確保した「特殊な年度だった」として15年3月期との違いを説明した。
事業報告がスクリーンを使ったナレーションで行われた後、石井頭取が決議事項の議案を説明、議案ごとに採決を取りいずれも拍手で了承された。
配当は普通株で年間7円になり昨年度より1円増配され、16年3月期からは業績連動配当制度が再開される。この制度は08年3月期に導入されたが、リーマンショック後の赤字決算により1000億円の公的資金注入を受けた09年3月期に中止していた。予定より10年早く公的資金を完済したことで同制度を再開、株主への利益還元を強化する。これまで配当に回す当期純利益の基準を200億円としていたが150億円に引き下げ、これを上回った分の30%を配当原資として通常の10円配当に業績連動配当を加え株主還元を厚くする。
取締役選任では、中村栄作常務と豊岡孝章取締役、山崎駿社外取締役が退任、新任取締役に迫田敏高氏常務執行役員、新任社外取締役に林美香子氏(慶応義塾大学大学院特任教授)と祖母井里重子氏(弁護士)がそれぞれ就任した。
また、公的資金注入を受け09年3月期から役員賞与を停止、10年3月期からは役員退職慰労金制度も廃止していたが、14年3月の公的資金完済を受けて役員報酬制度を見直し、取締役に対する株式報酬型ストック・オプションとしての新株予約権の割り当てを決定した。この制度は、全国の上場銀行の6割が導入している報酬制度。今回、同行が導入することによって新株発行に繋がるが、既存株式の希薄化率は最大で0・15%に留まるとしている。
総会での質問は1件で、日経平均株価の上昇率に比べて北洋銀の株価が上がっていないことに対するもの。石井頭取は、「ボトムは09年3月21日の230円だったが、昨日までの上昇率は127%で東証上場銀行の平均89・1%よりも高い。また時価総額の伸び率も6月5日付日経ヴェリタスによると全国地銀の中で5位。どの時点と比べるかによって違うが、今後も企業価値向上に努め市場の評価を高めたい」と理解を求めていた。
(写真は、総会の会場となったホテル札幌ガーデンパレス)