北海道銀行(本店・札幌市中央区)は6月26日のほくほくフィナンシャルグループ(FG)の株主総会後の取締役会で会長、頭取、副頭取人事を正式に決めるが、3人はいずれも昭和54年4月入行で金融界としては異例の同期3人組の誕生になる。また、北陸銀行の会長、頭取も昭和54年4月の入行で、ほくほくFGでは奇しくも同期5人組が誕生する。(写真は、北海道銀行本店)
道銀は26日に堰八義博頭取が12年間の在任期間を終えて代表権のある会長に、笹原晶博副頭取が代表取締役頭取に、山川広行専務執行役員本店営業部本店長が取締役副頭取に就任する。
堰八氏と笹原氏、それに山川氏はいずれも昭和54年4月入行の同期。ただ、大学浪人などで年齢に違いがあり、堰八氏(法政大経営卒)が今年5月で満60歳の還暦を迎え、年齢的には上だ。笹原氏(北大教育卒)は昭和32年2月の早生まれで今年満58歳、山川氏(北大経済卒)は同31年12月生まれで笹原氏より早く満58歳になった。
山川氏は、栄町支店長や清田支店長、札幌駅前支店長を経て平成17年6月に執行役員、同21年6月に常務執行役員、同25年6月に専務執行役員、そしてこの6月に取締役に昇進する。営業企画系の笹原氏が同15年6月に取締役に就任した後、取締役常務執行役員、取締役専務執行役員を経て同22年6月に代表取締役副頭取に就いたことを考えると山川氏は遅咲きと言える。
一般的に上場企業では、同期入社組が経営の中枢を占めるケースは少ない。官僚では出世レースを勝ち残った同期の1人が次官に就き他の同期入省者は本流から外れるケースが多い。同期には功罪の両面があることを経験的に分かっているからこその暗黙のルールなのかもしれない。「人事好き」とされる堰八氏が敢えて批判を覚悟でトップ3を同期入行組にした背景には何があるのか。行内外に向けたメッセージが込められているとしても、今のところそれは伝わっていないようだ。
ちなみに北陸銀行の麦野英順会長(昭和32年3月生まれ、58歳)、庵栄伸頭取(同31年8月生まれ、58歳)も昭和54年4月の同期入行。奇しくもほくほくFGのトップ5はいずれも同期入行組という異例の顔ぶれになる。
※生年月日の早い順
■堰八義博・道銀会長60歳
■庵栄伸・北陸銀頭取 58歳
■山川広行・道銀副頭取 58歳
■笹原晶博・道銀頭取 58歳
■麦野英順・北陸銀会長 58歳