市民を対象に最先端医療を分かりやすく紹介する北洋銀行と北大大学院医学研究科共催の「市民医療セミナー」が21日から始まった。2011年度からスタートしたこのセミナーは今年で5年目。今年度も12月までほぼ毎月8回シリーズで実施される。初回は北大大学院医学研究科生殖内分泌・腫瘍学の工藤正尊准教授による『不妊治療について』が行われた。IMG_4523(写真は、浅香正博特任教授=左と工藤正尊准教授)

 この市民医療セミナーは、北洋銀と北大の包括連携事業の一環として行われているもので、北洋銀の医療アドバイザーを務めるピロリ菌の世界的権威で同大医学研究科がん予防内科学講座の浅香正博氏特任教授(元北大病院院長)がプロデュースして11年度から北洋大通センター(札幌市中央区)4階セミナーホールを会場に実施されている。
 
 21日に行われたセミナーの講師は工藤准教授で、「不妊治療では断トツの働きをしている先生」(浅香特任教授)。札幌厚生病院などを経て北大入りし06年から准教授。
 
 工藤氏は「日本では正常な性生活を営んでいるにも関わらず2年間を経ても妊娠の成立を見ない状態を不妊と言い、海外では1年で不妊と診断する」と述べ、「不妊原因の41%は女性側に原因があり、男性側に原因があるのは24%、両性に原因があるのは24%。男性の50%近くが不妊の原因と言える」と解説した。
 
 1990年代半ばまでは、不妊治療の主なものとして人工授精があったが、それ以降は体外受精、顕微授精が出てきて「不妊治療はがらりと変わった。今では体外受精で年間約3万8千人が生まれており、30数人に1人は体外受精による新生児」(工藤氏)と紹介した。セミナーでは、顕微授精を撮影したビデオも流され、卵細胞質内に精子を注入する模様なども再生された。
 
 次回は5月14日(木)午後1時半から医療法人社団しのろ耳鼻咽喉科クリニックの武市紀人院長が『耳鳴り・めまいに関する耳寄りな話』をテーマに講演する。参加問い合わせは、北洋銀法人部(☎011・261・2579)


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