北洋銀行(本店・札幌市)は1日、公益財団法人大田区産業振興協会(東京都大田区)と連携協定を締結、ものづくり産業の振興に向けて相互に協力していく取り組みを始めた。大田区は中小製造業が集積する“ものづくり先進地”で、下町ボブスレーで知られるように様々な先端技術から生み出される製品は日本の製造業を支えている。両者は技術情報ネットワークを活用して両地域の製造業の連携・協力を橋渡し、新たな製品開発などに繋げていく。(写真は、協定書を掲げる石井頭取=左と野田隆理事長)
大田区産業振興協会は、1995年に大田区100%出資で設立された公益法人。2011年に公益財団化しており、大田区内の中小製造業約4000社の情報サービスやイベントを通じた交流などの支援を行っている。
北洋銀は、道内のものづくり産業を振興する目的で一昨年から同協会に接触。昨年、同行主催の「ものづくりテクノフェア」に同協会と加盟3社が出展し具体的商談に入ったケースが8件あったことから、「両地域の連携が可能」 (野田隆同協会理事長)として今回の協定締結に至った。同協会と道内金融機関が協定を結ぶのは初めてで他には農工連携として10年4月に山陰合同銀行、12年10月には秋田銀行とそれぞれ協定を結んでいる。
協定具体策の第一弾として7月24日に開催される今年のものづくりテクノフェアに大田区企業8社が参加して道内企業との商談を進めるほか、今年度内に北洋銀が取引先の製造業などを中心に視察団を組み大田区企業との交流を進める。
同協会では、道内の農林水産加工業で使用されている食品製造機械の新技術開発や改良で協調体制を組むことを想定している。同協会は公益財団で収益事業を実施することはできないため、今回の協定締結によって北洋銀との間に手数料収入などは発生しない。協会加盟企業と北洋銀の取引先企業同士が具体の事項を取り決めることになる。
北洋銀の石井純二頭取は、「これまでの取り組みから一歩踏み出して道内ものづくり企業を積極的にサポートしていく。ものづくり産業底上げに繋がるように実効性を追求していきたい」と語った。