札証が「北海道ESGプロボンドマーケット」開設、北電がESG債上場

経済総合

 札幌証券取引所は2025年9月10日、全国で初めてのESG債(環境、社会、ガバナンスに資するプロジェクトに係る資金調達を目的とする債券)に特化した市場「北海道ESGプロボンドマーケット」を開設した。(写真は、札幌証券取引所)

「北海道ESGプロボンドマーケット」は、北海道の再生可能エネルギーのポテンシャルを最大限に活用し、資金、人材、情報を北海道・札幌に集積させる「アジア・世界の金融センター」を目指すために、Team Sapporo-Hokkaidoが進めている北海道・札幌GX金融・資産運用特区の取り組みの一環。債券上場市場には、東京証券取引所の「東京プロボンドマーケット」があるが、札証は、ESG債に特化したプロ向け市場として差別化を図る。

 上場の要件は、第三者評価機関によるESG評価取得した債券で、格付け機関の格付けを取得し、主幹事証券がついていることの3要件。対象証券は、事業債や地方債のほか、信託受益権、特定社債も対象。北海道だけでなく、全国からの上場が可能。

 この市場開設に伴い、北海道電力(本店・札幌市中央区)はESG債2銘柄の上場を申請、札証はこの日、上場を承認した。2銘柄の上場日と売買開始日は、2025年9月16日。銘柄1は、北電第401回無担保社債、上場総額は120億円、利率は年1・902%、発行日は2025年4月17日、償還期限は2035年4月25日。銘柄2は、北電第402回無担保社債、上場総額25億円、利率年2・659%、発行日は2025年4月17日、償還期限は2045年4月25日。

 いずれも、トランジションボンド(二酸化炭素排出量等の観点からグリーンボンドの発行基準を満たさないが、発行体が自社のビジネスを低炭素社会等に転換するためのプロジェクトを資金使途とする債券)。また、資金使途は、いずれも原子力発電所の再稼働、安全性向上・維持、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた送配電網の整備・強化で、新規投資やリファイナンスに充当する。

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