明治建築のサッポロビール園「開拓使館」、5億7000万円投じてリニューアル

経済総合

 札幌市東区北7条東9丁目のサッポロビール工場跡地を利用した「サッポロビール園」のメインホール「開拓使館」が、2025年4月1日(火)にリニューアルオープンする。2024年11月1日から5ヵ月間休業して、全面更新を行ったもので、改装費に5億7000万円を投じた。(写真は、リニューアルされた「サッポロビール園開拓使館」)

 サッポロビール(本社・東京都渋谷区)グループの新星苑(同・札幌市中央区)が展開する「サッポロビール園」は、「開拓使館」と「ポプラ館」「ライラック」「ガーデングリル」の各ホールに分かれている。「開拓使館」は、明治期に開拓使が製糖工場として建設したレンガ造りで、サッポロールが払い下げを受けて、精麦工場として実際に使っていた。約60年前に操業を停止して、レストランにリノベーション。約40年前に、ジンギスカンとビールを提供する現在のスタイルに全面改装した。今回のリニューアルは、これに続くもので、40年ぶりの大改装となった。

(写真は、3階のオープンドリンクカウンター)

 具体的には、1階から3階まで、各テーブルで使用していた約100器のガスコンロを、電気を使うIHクッキングヒーターの無煙ロースターに全面入れ替えするとともに、空調や水回りを含めて設備更新も行った。IHクッキングヒーターに転換するため、受電設備の増強工事も行った。2階には、40年前からサッポロビール九州工場で使われていた煮沸窯を展示しているが、リニューアルに合わせて、こびりついた油を拭き取って磨き上げた。また、各階には、オープンドリンクカウンターを設置して、ビールを注ぐ場面も見えるようにした。

(写真は、北海道を象った無煙ロースター)

 ジンギスカンを焼く鍋には、これまで山型を使っていたが、IHクッキングヒーターへの切り替えを機に、フラットな鍋に変えた。照明もすべて新しくして、内部のレンガが映えるようなスポット照明も取り入れた。新星苑の別府修社長は、「リニューアルによって、お客さまの快適度と満足度を上げることが可能になったので、開拓当時の歴史を感じながらジンギスカンとビールを楽しんでほしい」と話した。営業時間は11時半から21時(ラストオーダーは20時40分)、席数は1~3階合わせて580席。年中無休(12月31日のみ休業)。なお、「サッポロビール園」開拓使館の年間売り上げは約12億円。ジンギスカン専門店としては、全国一の売り上げを誇る。

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