札幌証券取引所・石井純二理事長辞任へ、後任は堰八義博・道銀元会長か   

経済総合

 証券会員制法人札幌証券取引所の石井純二理事長(73)が、2025年5月下旬の同取引所の総会で辞任する。石井氏は、2024年5月末に理事長に就任したが、体調不良で任期2年を残して退くことになった。北海道、札幌市がGX(グリーントランスフォーメーション)に絡む国家戦略特区に指定され、札証は、GX投資のプラットフォームとして石井理事長の下、体制整備に取り組んでいた。(写真は、札証・石井純二理事長)

 石井氏は、2025年3月27日の札証の理事会で辞意を表明した。理由は、体調不良によるもので、任期3年を全うすることは難しいという自身の決断があったようだ。石井氏は、北洋銀行頭取時代に第二地銀協会会長を務め、北海道経済同友会代表幹事にも就くなど、官公庁とのパイプもあることから、中央からの意向もあり、昨年4月の札証理事会で理事長候補となり、5月の総会で理事長に就任した。石井氏は、北洋銀や北海道銀行からの出向者で新事業推進部を設置するなど、特区の受け皿となる「チーム札幌・北海道」の一員として、体制整備を進めてきた。

 札証では、石井氏の辞意を受けて、4月の理事会で次期理事長候補者を決定して、5月末の総会で正式決定する。石井氏は、次期理事長が決まるまでは職務を全うする考えで、理事の同意が得られれば、辞任後も顧問的立場で札証をサポートしたい意向も示した。

 後任理事長の人選は、難航しそうだ。歴代理事長には、札幌商工会議所会頭が兼任で就くケースもあったが、現在の岩田圭剛会頭は、今年11月までの任期のため、兼任は難しい。昨年まで13年間、理事長を務めた小池善明氏の出身母体であるJR北海道には、送り込める人材がいない。道内経済団体のトップを務め、金融に明るい候補者として最有力は、道銀頭取、会長を務めた堰八義博氏(69)。一度は、経済界からリタイアを決めた石井氏が札証理事長を引き受けたのは、「育ててもらった北海道に最後のご奉公」だった。堰八氏も現在は、経済界の一線から退いているが、札証が重要な局面を迎えていることから、石井氏同様、「北海道への最後のご奉公」が期待される。

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