「プレイランドハッピー」で知られるパチンコ大手の新和グループ(本社・札幌市)は、札幌市北区新川の旧ビッグシップ跡地の利用を巡り9月から本格検討を始める。旧ビッグシップは所有者が二転三転したものの天然温泉の温浴施設として継続されていたが、昨年末に営業終了。今年2月に新和グループが土地建物を取得していた。今年に入って解体工事に入り8月に更地なったばかり。新和グループは商業施設や老健施設などを想定して活用策を探る。(写真は、更地になった旧ビッグシップ跡地)
 
 旧ビッグシップ跡地は、札幌市北区新川2条6丁目で土地面積は約8000㎡。南北に走る新琴似通と東西を突っ切る道央道、札幌新道の交差する南東角に位置し、巨大な船の形をした温浴施設として知られていた。
 
 1987年ころに丸増(東京都千代田区)が建設したものを2000年に、土日ディスカウントやパワーセンターと言われた流通形態で一世を風靡していたカウボーイ(札幌市)が取得。グルメシップとして所有運営。しかし、カウボーイの衰退とともに07年に会社分割で設立したトーラスリアルティ(函館市)が所有、運営は継続されていたが11年4月から運営会社が変わり「じょいくるーず天然温泉ほんのり湯」として再開。しかし、昨年11月で営業は終了していた。
 
 今年に入って2月に新和グループの不動産子会社がタウン企画(東京都中央区)から土地建物を取得、土地登記簿に記載されている根抵当権3億6000万円が抹消されており、取得価格も同額と見られる。
 
 新和グループは、当初パチンコホールの建設を予定して取得したが、パチンコ業界は競合が激しくパチンコ以外の業態で土地利用を進めることを決めている。
 
 同社は、国道5号線沿いに今年3月にオープンした大型ホームセンター、スーパービバホーム手稲富丘店やJR琴似駅北側の家電量販店コジマNEW札幌琴似店(7月で閉店)、カー用品イエローハット八軒店の土地を所有していることから商業施設の誘致、また天然温泉があるため温泉を利用した老健施設、高齢者向けサービス付住宅などの活用を検討していく。
 
 雪どけ後に巨大な船の形をした建物の取り壊しが始まり8月に入って更地になった。バブルとともに生まれバブル後も生きながらえてきた札幌の名物建造物は姿を消し、住宅地に広がる敷地は夏空の下で時が止まったように静けさに包まれている。


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