看板の「流氷ドラフト」をはじめとするクラフトビール商品が、全国で人気を博している網走ビール(本社・網走市)が、大規模増産体制を確立した。生産能力は、3倍になった。能力増投資に踏み切ったのは、国内外からの需要増に伴う品薄状況解消のため。同社商品は、網走市のふるさと納税返礼品の人気商品でもあり、今回の設備投資には網走市も支援、国も補助金を交付した。(写真は、新設した2000ℓ醸造装置)
これまでは、1000ℓ醸造装置(釜)に4000ℓ貯蔵タンク10基、2000ℓ同が9基、1000ℓ同8基などを擁していた網走ビールの工場は、今回の設備投資で2000ℓ醸造装置(釜)、トンネル型パストライザー(※充填した容器ごとに殺菌などをする装置)一式、麦芽粉砕機、4000ℓ貯蔵タンク5基、2000ℓ同を新たに導入した。また、これまであった倉庫・出荷機能を約390㎡の新倉庫に移管、よりスムーズな出荷・配送体制も構築された。
同社産のビールは、全国からの受注増により、数年前から生産が追いつかない状況で、地元・網走市もふるさと納税返礼品で人気のクラフトビールの増産を待ち望んでいた。さらに、需要が高まっていた海外輸出への対応も必要だったことから、今回の設備投資に繋がった。
市は、投資の20%を補助、国の補助金も活用し、総投資額は約2億円。同社の長岡拓児社長は、「北海道網走の名が入ったビールを日本全国、世界各地に出荷していきたい。PB、OEM製品も積極的に受託を行なっていく」と話している。工場設備がある網走ビール館には、ガラス越しに醸造釜なども見える焼肉レストランを併設、この店舗で飲めるクラフトビールも人気だという。