上光証券(本社・札幌市)は中小企業の売掛債権を証券化した「中小企業資金繰支援債券」を道内で販売する。利率は3%で1年定期預金の百倍。「団塊世代の退職者などを対象に貯蓄から投資へ向かうきっかけの商品にしたい」(松浦良一社長)。売掛債権にはオランダの保険会社の取引信用保険が付いておりデフォルト(債務不履行)になるリスクは少ない。(写真は上光証券松浦良一社長)
中小企業金融円滑化法が今年3月末で期限を迎えたことで資金繰りに悩む中小企業は全国的に増える傾向にある。上光証券など全国の地場証券10社は毎月9地区トップが集まる協議会を開催、情報交換しており、その中から中小企業の資金繰りを支援する証券化商品の開発、販売で合意した。
売掛債権を証券化するのはアーツ証券(東京)などが出資する特定目的会社。全国の中小企業から売掛債権を買い取ったり、債権を回収する窓口になる。上光証券など全国10社の地場証券がそれぞれの地区で特定目的会社が組成した債券を販売する。
全国で総額50億円の債券を販売するが上光証券はそのうち1億円の募集を開始した。私募債に当たるため販売上限は49人で100~200万円の範囲で募集する。利率は年間3%でミドルリスク、ミドルリターンの商品。
「5%の利率ならリスクが高いと敬遠する投資の初心者に向けて販売したい。定年を迎えた団塊世代の退職金運用の一つになれば」と松浦社長は語っている。