SHIRO「みんなの工場」(砂川市)でリユースファッションショー、化粧品容器・衣類の回収再生プロジェクトスタート

経済総合

 砂川発祥のコスメティックブランド「SHIRO」を展開するシロ(本社・東京都港区)は2024年8月10日、砂川市豊沼54-1にある同社の「みんなの工場」内で、リユースファッションショーを開催した。一度は捨てられた衣類でスタイリングされた、服を着たモデルや同社社員ら22人が、「SHIRO」のメイクとフレグランスとともにランウェイに登場、多数の観客がショーを楽しんだ。(写真は、SHIROの「みんなの工場」で行われたリユースファッションショー。手前の台に並べられているのはSHIROの化粧品原料の見本)
(写真は、リユースファッションショーにモデルとして登場したシロ・福永敬弘社長)

「SHIRO」は、ブランド誕生15周年記念として、昨年4月に竣工した「みんなの工場」で、2024年7月26日から同年9月1日まで「未来へのおくりもの展」を開催している。リユースファッションショーは、そのメインイベント。また、同社が、ブランド誕生15年を機にスタートさせる「SHIROリユースプロジェクト」のキックオフイベントも兼ねている。

 このファッションショーで使われた衣類は、リユース・リサイクル事業を展開している資源循環商社、ECOMMIT(エコミット)が回収したもの。操業中の工場の様子が、ガラス越しに見える見学コースをランウェイにして、モデルら22人が歩いた。総合演出は、パリコレクションなどで演出を多く手掛ける小松隆宏氏、ショースタイリストも、パリコレでも活躍する山口翔太郎氏が担当した。

 ショーを前に、シロの福永敬弘社長は、化粧品の瓶を回収洗浄して再利用するとともに、衣類を回収して、新たな人に届けるリユースプロジェクトを紹介。そのうえで「環境への気づきを多くの皆さまに提供したいと取り組んできたのが『SHIRO』。今回のショーを通じて、捨てるという選択肢を捨てることが根付いてくれば喜ばしい。捨てる前に誰かに着てもらえるといいなと思う文化を『SHIRO』はつくっていきたい」と挨拶した。

 また、衣類を提供したECOMMITの川野輝之代表締役は、「誰かが不要とした衣類が、どれだけ価値があるのかをぜひ見ていただきたい。ショーを通じて一人でも多くの方に、リユースの取り組みに賛同いただき、不要になった服を循環させていく仲間になっていただきたい。洋服は、循環が当たり前という社会に必ずできると思う」と話した。福永氏と川野氏は、自らもモデルとしてリユース衣類を着て、ランウェイを歩いた。

 ショーを終えた後、シロの今井浩恵会長・ブランドプロデューサーは、「こうした取り組みは、10年続けないとなかなか浸透しないので、やっと始まった段階。東京でこうしたショーをやれば、もっと人が来るし、注目も集めると思う。でも、私は創業の地、砂川の子どもたちにファッションショーを見てもらったり、大人たちの真剣な顔に触れてもらいたいと考えている。そのためにも『SHIRO』は、今後も『みんなの工場』でこうした取り組みをすると決めています」と語っていた。なお、ショーの後には、工場敷地内に設けられた櫓の周りで、モデルや地元の子どもたちが一緒になって盆踊りを楽しんだ。
(写真は、リユースファッションショー後の盆踊り)

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