1934年に余市郡余市町で創業し、2024年7月2日に90年の節目を迎えたニッカウヰスキー(本社・東京都墨田区、本店・余市町)が、新しいウイスキー「ニッカ フロンティア」を商品化する。2020年発売の「ニッカ セッション」以来4年ぶりの新ブランドで、10月1日から親会社のアサヒビール(本社・東京都墨田区)が販売する。(写真は、「ニッカ フロンティア」の発表会=左からニッカウヰスキーグローバル事業戦略部・坂本英一氏、爲定一智社長、ブレンダー室・渡邊健太郎氏)
(写真は、2024年10月1日から発売開始の「ニッカ フロンティア」)
創業90周年に機に、創業者である、竹鶴政孝氏のフロンティアスピリットを後世にも継承していくという思いを込めて開発した。特徴の一つは、余市蒸溜所のヘビーピートモルト原酒を採用したこと。この原酒は、世界でも珍しい石炭直火蒸溜によって作られており、薫り高いスモーキーな味わいがある。
通常のブレンデッドウイスキーは、グレーンウイスキーの比率が高いが、新商品はモルトウイスキーのブレンド比率が51%以上のモルトベースのブレンデッドになっている。また、冷却ろ過をしないノンチルフィルタード(常温ろ過)製法を採用、厚みと独特の味わいを生み出している。パッケージには、ススキノの看板でも知られているニッカのロゴの「N」を大きくあしらい、同社がポットスチルにかけて祭っているしめ縄も裏面にデザインした。参考小売価格は500ml入りで税込2200円。アルコール分は48%。
2024年7月5日に余市商工会議所で行われた新製品発表会で、ニッカウヰスキーの爲定一智社長は、「原酒の多様性が当社の強みであり財産。1人でも多くの人に本物のウイスキーを飲んでもらいたい、と情熱を注いだ創業者の思いは、今も私たちに受け継がれている。ニッカウヰスキーの90年は愚直に品質にこだわり、挑戦し続けた歴史」と話し、「ニッカ フロンティア」には、そのストーリーが凝縮していることを強調した。
また、同社グローバル事業戦略部の坂本英一氏は「2001年に『余市シングルカスク10年』が、日本のウイスキーで初めて世界総合第1位を獲得、ニッカウヰスキーのものづくりは、グローバルにおいても日本のウイスキーの地位を牽引、切り拓いてきた歴史がある。このフロンティアスピリットを未来にも継承していきたいという思いを込めて『ニッカ フロンティア』と名付けた」と話していた。
※2024年7月10日、読者の指摘により記事一部修正しました。