札幌市の南1条通に北海道産木材を使った、木のぬくもりを感じることができる10階建てのペンシルビルが誕生した。鉄骨造だが、集成材を耐火被覆して木質感のある仕上げにしており、南1条通の新たなシンボルとなりそう。
(写真は、耐火木質ビル「木NINARU BLDG.」)
丸井今井南1条館の南1条通を挟んだ向かい側に当たる、中央区南1条西2丁目1-2に誕生したのは、耐火木質ビル「木NINARU BLDG.(キニナルビルディング)」。地下1階、地上10階、敷地面積は約42坪(139・05㎡)、延べ床面積約349坪(1152・02㎡)。鉄骨造だが、7~10階に木質ハイブリッド集成材を使用、外装に使用した木材も含めてすべて北海道産で、木のぬくもりを感じられるビルになっている。
建築主は、農業のIT化推進事業や若い世代が活躍できる空間創出、スタートアップ支援などを行っているBeppo Corporation(本社・東京都渋谷区)。設計は、アトリエオンド一級建築士事務所(札幌市中央区)と桜設計集団構造設計室(東京都渋谷区)、施工は熊谷組(本社・同都新宿区)・住友林業(同・同都千代田区)の共同企業体。2022年6月に着工、2023年6月に建物は竣工していたが、このほど内装工事を終えてオープンを迎えた。
1階には、ピスタチオ菓子専門店「佐藤堂本店」、2~3階はシメパフェで知られるパフェ専門店「パフェ、珈琲、酒、佐藤」が入った。4~8階は木質感のある内装のシェアオフィス「TREE BASE」が入り、7~8階はコワーキングスペース、10階は木質ハイブリッド集成材を使用したフロアになっている。
北海道の若者と産業を支援する拠点を目的にしており、コミュニケーションの活性化を促す工夫として、2層吹き抜けのインナーテラスを設け、つながりのある空間構成にしている。「TREE BASE」の会員が交流できる可変型ワークスペースや集中して作業するブースなど、用途によって使い分けられるようになっている。コミュニティマネージャーが常駐して会員当時の交流を促し、札幌の成長のシンボルとなる場所を目指すとしている。