北海道のエンタメ企業、「スガイディノス」の復活を目的に2018年11月に設立された、スガイディノスホールディングス(HD、本社・札幌市豊平区)が、2024年3月14日、札幌地裁に自己破産を申請、同月25日に同地裁から破産開始決定を受けた。東京商工リサーチ北海道支社(札幌市中央区)によると、先に民事再生に入っていた子会社スガイディノス(現在は清算終了)の保証債務を中心に負債総額は約18億円。(写真は、スガイディノスが運営していたディノスボウル札幌白石=2022年10月2日閉店)
スガイディノスは、札幌証券取引所アンビシャス市場に上場しているRIZAPグループ(本社・東京都新宿区)だったが、2018年11月に、道内に本拠を置くファンド会社に売却され、その会社がスガイディノスの持ち株会社として設立したのが、スガイディノスHDだった。
持ち株会社としてスガイディノスの経営戦略を担い、収入はスガイディノスからの経営指導料、機械設備の賃貸収入だった。東京商工リサーチ北海道支社によると、2020年10月期は売上高3億円を計上したが、コロナ禍でスガイディノスが展開するゲームセンター、ボウリング場などの利用客が減少、スガイディノスHDも苦境に陥った。
スガイディノスは、2022年5月に民事再生法の申請を行い、ゲーム事業などはGENDA(同・東京都大田区)のグループ会社であるGENDA GiGO Entertainment(ジェンダ・ギーゴ・エンターテインメント、同・同)、シネマ事業は老舗映画興行会社、佐々木興業(本社・東京都豊島区)に事業譲渡、2024年2月に清算が終了していた。こうした中、スガイHDは保証債務の返済ができず自己破産申請に至り、開始決定を受けた。「スガイディノス」の再興を目指した道内資本だったが、コロナ禍の直撃が致命傷となり、夢は叶わなかった。