札幌証券取引所は、2023年の取引終了を受け、12月29日15時30分から大納会を行った。札証2階会議室には、会員である証券関係者など約30人が出席した。(写真は、手締めを行う証券関係者)
2023年通年の売買高は、2億1375万5500株で前年比251・4%と好調に推移、札証創設以来7番目に多い売買高だった。売買代金は、563億8667万1000円で前年比357・8%となり、歴代18位。売買高と売買代金の内訳は、本則市場が317万7800株、37億8554万9000円、アンビシャス市場が2億1057万7700株、526億112万だった。
小池善明理事長は、「思った以上にコロナからの回復が早く、売買代金は昨年の4倍となり、久々に500億円を超えて、手応えを感じている。時価総額は約2700億円、前年比60%増、新規上場も3社あって良い年だったと思う」と述べた。また、2024年1月から始まる新NISAに触れ、「札証は個人投資家の市場なので、好影響が出ると期待している。来年も新規上場企業の発掘に努力していくとともに、買いやすい株式、取引しやすい株式を増やしてもらい、投資家に評価していただける上場企業が増えていくことを期待している」とした。
12月5日に死去した伊藤義郎前理事長(伊藤組土建会長、札幌商工会議所会頭など歴任)について、「札証廃止論が道内経済界でも高まる中、存続を強く主張して北海道経済のインフラを守ってくれた。最近では証取を廃止した都市が、証取復活のために視察に訪れるなど、札証存続は大きな意味があった」と語った。その後、日本証券業協会北海道地区協会の伊藤博公地区会長(北洋証券社長)の音頭で手締めを行い、1年を締めくくった。