コロナ禍の内食需要もあって市場が伸びていた高級食パンだが、平時モードに切り替わってきたことで、市場がシュリンクしている。「純生食パン工房HARE/PAN(ハレパン)」の北海道店舗である「日高富川店」(沙流郡日高町)、「浦河店」(浦河郡浦河町)、「室蘭店」(室蘭市)が2023年5月14日(日)、15日(月)に相次いで閉店する。「HARE/PAN」の北海道店舗数は3店舗に半減する。(写真は、2021年10月22日にオープンした「純生食パン工房HARE/PAN室蘭店」)
「HARE/PAN」は、T.H.S(本社・埼玉県越谷市)がFC(フランチャイズ)展開している高級食パン専門店。子どもからお年寄りまで、年齢を問わず愛される食パンブランドとして開発された。北海道産の厳選食材を使用しており、「ハチミツ」を配合することで独自の美味しさと柔らかな優しい食感を実現している。
T.H.Sは、2018年からFCで全国に店舗を広げてきた。北海道には、コロナの渦中だった2020年8月に1号店の「札幌店」(札幌市中央区)をオープンさせ、同年11月に「札幌福住店」(同市豊平区)、2021年4月に「釧路店」(釧路郡釧路町)、同年8月に「日高富川店」、「浦河店」、同年10月に「室蘭店」をオープンさせてきた。
高級食パンは、「乃が美」が火をつけてさまざまなブランドが生まれ、一気に市場が広がった。コロナ禍の内食需要の拡大で追い風となったものの、スーパーマーケットがインストアベーカリーで高級食パンを品揃えするなど、昨年以降は専門店の閉店が続いている。今回、閉店する「HARE/PAN」3店舗の運営は、ナルサコーポレーション(札幌市豊平区)が行ってきたが、2021年の出店から約1年半での閉店となる。消費者の嗜好の変化は、スピードを増している。