北の達人コーポレーションの株式時価総額が36億円と上場時6倍、道内若手経営者の間で『北の達人に続け』が合言葉に

経済総合

 昨年5月に札幌証券取引所アンビシャス市場に上場した北の達人コーポレーション(本社・札幌市)の株式時価総額が36億円になり上場時の6倍になっている。株価は一時公募割れ価格になったもののその後は上昇を続け、現時点では1400円前後と3割強の高値。北の達人の新規株式公開(IPO)の成功に刺激を受けた道内若手経営者の間では、「北の達人に続け」が合言葉になっているという。(写真は、2012年の札証年間功労賞も受賞した北の達人コーポレーションの木下勝寿社長=右)
 
 北の達人コーポレーションは、インターネットを利用した一般消費者向け健康美容商品の販売を事業としている。主力商品のカイテキオリゴは道産のサトウダイコンや牛乳、樹木から抽出した高品質のオリゴ糖を主原料にしておりニッチマーケットの中でナンバーワンのシェアを持ち高いリピート率なのが特長。
 
 昨年5月に4年3ヵ月ぶりに札証新興市場であるアンビシャス銘柄として上場した。公開時には一時株価が935円の公募価格を割ったこともあるが、その後は順調に高値を付け2月27日には1509円の上場来高値を付けた。また、2月9日には普通株式1株を4株に株式分割を行っている。
 
 株式時価総額は、6億円から36億円に上昇、札証アンビシャス市場の成功例として注目を集める企業になっている。
 
 札幌市内でIPOに詳しい弁護士は、「道内の経営者の意識を変えた点でも素晴らしい企業だ。実際、30代の若手経営者の間でも『北の達人に続け』と上場を目指す機運が広がっている」という。
 
 また、札幌市内のベンチャーキャピタルも「北の達人の成功で上場を目指そうしていた予備軍が具体的に動き始めた。既に表明して準備に入っている企業も複数社ある。北の達人の上場は、道内で非常に意味のある上場だった」と語る。
 
 昨年は全国のIPO社数は48社だったが、今年は100社前後がIPOを行うと見られている。このうち道内でも2社のIPOは確実でさらに来年以降も『北の達人効果』によるIPOが増えていきそうだ。

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