北海道の中小企業DX化をトータルサポート、道内ベンチャーとNTTグループが共同事業体

経済総合

 北海道の中小企業が抱える課題について相談を受け、業務効率化やビジネスモデル変革、企業文化変革などDX(デジタルトランスフォーメーション)をトータルにサポートしていく共同事業体「北海道DXコンソーシアム」が3月15日に設立された。北海道のベンチャー企業や税理士法人などと、NTTコミュニーケーションズ、NTTドコモ北海道支社など6者から構成され、それぞれのリソースを生かして、個別中小企業と伴走しながら課題解決を図る。ベンチャーとNTTグループが、中小企業のDXサポートで組むのは全国的にも珍しい。(写真は、設立会見に臨んだ「北海道DXコンソーシアム」運営委員会のメンバー)

「北海道DXコンソーシアム」は、札幌のノーサイド・ウイング、税理士法人マッチポイント、税理士法人フューチャークリエイト、マケットコンサルティング、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ北海道支社が幹事会員として運営委員会を構成。明善、alpha、TomoniSolutions、フィーリスト、ライクネス、TONMANAの6社が一般会員として参加した。

 ノーサイド・ウイングや税理士法人マッチポイントなどは、中小企業を主要顧客としているが、その過程で多くの中小企業でDX化の取り組みが遅れ、新たな成長に向けた展望が描けていない実態に危機感を募らせていた。北海道は少子高齢化、人口減少が全国に比べて10年早く進んでいることから、このままでは地域の中小企業の活力低下が避けられず、後継者難などが重なって廃業するケースも出て、北海道経済の下押し圧力になりかねない。

 このため、IT導入による業務効率化だけではなく、個々の中小企業と財務面を含めて相談を行い、ビジネスモデル変革による稼ぐ力の創出、さらに組織文化、企業文化の改革によって、中小企業の新たな価値創出にまでトータルに踏み込んでサポートしていくことが不可欠として「北海道DXコンソーシアム」を立ち上げた。

 さまざまなITツールやDXソリューション、コンサルティング能力を豊富に持つNTTグループ2社も参加することによって、他の4者が持つリソースやノウハウと合体させ、グローカルな視点で個々の企業の特性に応じたDXサポートが行えるようにする。

 DX化については、官公庁や自治体、経済サポート団体、金融機関などが取り組んでいるが、「北海道DXコンソーシアム」では、こういった動きと連携しながら、構成員であるベンチャーのスピードと行動力で成功事例を積み上げに、中小企業同士のビジネスマッチングなども進めて、連鎖、波及的に地域の活力を醸成していく考え。

 10人から100人程度の中小企業から相談を受け付け、税理士法人も構成員のため、資金調達の相談も行えるようにする。相談件数は2023年度に約100件、2024年度には500件を想定している。

 設立会見でノーサイド・ウイングの平野龍一代表取締役は、「誰かがやってくれるのを待つのではなく、中小企業と一緒に北海道から新しい挑戦をしていきたい」と述べた。また、NTTドコモ北海道支社の本昌子執行役員北海道支社長は、「商工会議所や北海道大学などとも連携して中小企業のDXをサポートしていきたい。成功事例を全国に紹介するとともに、企業と企業を繋ぎ合わせて新しい価値創造に結び付ける活動も推進したい」と話していた。事務局は税理士法人マッチポイントが担当する。
(写真は、一般会員6社を含めた「北海道DXコンソーシアム」のメンバー)

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