ダイヤ書房本店に喫茶ひしがた開店、藤月のソフトクリーム・カプセルモンスターのケーキなど提供

経済総合

「気軽におしゃべりできる新しい空間になればうれしいですね」。書店のダイヤ書房本店(札幌市東区北25条東8丁目2-1)店長の谷尾苑香さんはこう話す。この書店は、書籍売り場の一部を改装、28席の喫茶ひしがたを、9月16日にオープンさせた。書店と喫茶は珍しい組み合わせではないが、地域のお客が多い特徴を生かし、喫茶コーナーを設けることでさらに地域密着を深めようとしている。(写真は、ダイヤ書房本店内にオープンした喫茶ひしがた)

 ダイヤ書房は、かつて札幌市内で数店舗を展開していたが、現在は本店だけの営業になっている。本店の建物は、1997年竣工の3階建てで、以前は1、2階が書籍売り場だったが、10数年前に2階にTSUTAYA北25条店が入居。16年間営業を続けてきたが、2年前に閉店。その後、北海道初進出のトレーニングジムHYPER FIT NEX24 札幌店が同年7月にオープしている。

 ネット購入や活字離れなどによって書店受難の時代は続いているが、ダイヤ書房は 書籍売り場に雑貨コーナー、ヒシガタ文庫を展開するなど、書店プラスαの新しい価値提供で来店動機を誘発する取り組みを行ってきた。郊外立地の書店で地域のお客が多いため、都心型書店ほど売り上げの落ち込みはないものの、お客の減少は続いている。今回の喫茶ひしがたの導入は、ヒシガタ文庫と同様、新しい価値提供の取り組み。

 7月25日から1ヵ月半休業、約190坪の書籍売り場を3分の2にして、残り3分の1を喫茶に変えた。書籍売り場は入り口に近い本棚を高さのあるものに変えて、斜めに配置。入り口近くにあった雑誌コーナーは、壁側に面陳列するなどした。書籍店数は約2割を絞り、約6万5千点にした。斜めに配置した書棚の一部は、月替わりの選書コーナーにして、初回はダイヤ書房の営業社員が1人5冊を選び陳列。各社員のお薦めコメントもスリップにして本に挟まれている。

(写真は、入り口近くに配置した選書コーナー)

 喫茶ひしがたでは、オリジナルブレンドのコーヒーやハーブティー、自家製レモネードのほか、藤月のソフトクリーム、札幌のスイーツ専門店カプセルモンスターのケーキも提供。未購入の本は持ち込めないが、展示している書籍は読むことができる。谷尾店長は、「当店は地域のお客さまにとって生活の一部になっています。喫茶ひしがたを気軽におしゃべりできる場所として使ってほしいですね」と話していた。

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