札幌証券取引所が28日、今年の取引を終え証券会社社長や支店長など約40人が出席して大納会を開いた。1年間の売買代金は204億3198万円で2006年の365億8200万円に次ぐ規模になり、出来高も3978万3000株で過去7年の最高水準になった。小池善明理事長は、「近年にない活況を呈した1年だった」と振り返った。(写真は、大納会で挨拶する小池善明理事長)
 
 今年1年の月別売買代金を見ると5月の47億787万円、6月の71億4670万円、7月の23億4170万円、9月の15億5064万円が2けたの億を超えた月で、最も低調だったのは1月の1億1892万円。
 
 売買をリードしたのは、アンビシャス市場のアキナジスタ(本社・東京)と北の達人コーポレーション(同・札幌市)。アキナジスタは筆頭株主の変更で一部投機的な動きを示し、今年5月29日に4年3ヵ月ぶりに上場した北の達人は、ベンチャーキャピタルの株放出などで一時株価が下がったがその後持ち直して売買が膨らんだ。アンビシャス市場の売買代金は、年間で181億円強と過去最高水準になった。なお、本則市場は22億円強で10年の29億円強、08年の28億強には及ばなかった。
 
 大納会で小池理事長は、「近来にない活況を呈した1年間だったが、震災前、リーマンショック前に戻ったのが実態。スタート時点、従来のノーマルな水準に戻ったということで、これから企業収益の向上によって価値を上げて株価が上がっていくことが期待される。政権交代を機に円高是正、収益見込みも向上しており、道内でも公共投資が増えて設備投資も活発化してくるだろう。札証は上場しやすい制度改正も行っており、道内から元気の良い企業が出てきて上場を目指してくれることを期待したい」と挨拶。その後、出席者全員で三本締めを行い、今年1年を終えた。
 
 今年1年で札証の課題は見えてきた。アンビシャス市場の偏重をどう改善するかということと新規上場を継続的に実現する環境整備の2点。今年6月の上場審査基準の制度改正で上場予備軍の間口を広げ、アンビシャス市場を本則市場や東証へのステップアップ市場と位置付けたことでこうした課題解決の道筋を付けたが、制度改正後の上場はなかった。
 
 株式市場の持ち直しとこうした制度改正の浸透で来年は数社の上場が期待される。数年前には札証不要論が道内経済界には出ていたが、1年半前に就任したJR北海道出身の小池理事長による札証改革でこうした不要論は払拭された。
 
 札証売買がスタート台に立ったのと同様、小池改革もスタート台に立ったということができ、来年は改革の果実を具体化する正念場の年になりそうだ。



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