上川管内東川町(松岡市郎町長)が事業主体になって建設を進めていたサテライトオフィス「KAGUの家」(東川町東町1丁目、町役場庁舎隣接地)が、5月9日から運用を開始した。世界的な建築家・隈健吾氏が設計した木造2階建て4棟からなり、入居する4社が決定。そのうちの1社、設計を担った隈研吾建築都市設計事務所(東京都港区)が「ヒガシカワサテライト」として仕事を始めた。入居する4社はシェアオフィスとして開放することも予定している。
(写真は、東川町が隈研吾氏に設計を依頼して建設したサテライトオフィス「KAGUの家」)
東川町は、アフターコロナを見据えてワーク・ライフ・バランスのモデル空間をつくることを目的にサテライトオフィス「KAGUの家」を建設。町内では地元産木材は産出していないが、道産木材を加工する工場があるほか、家具メーカーが大小30社近くあることから、名称を「KAGUの家」とした。世界的な建築家、隈氏が手掛ける先進的なモデル空間を実現することによって、都市部との連携を促進、町内経済活性化を図るのが目的。
「KAGUの家」は、木造2階建て、延べ床面積約46坪(153・17㎡)、4棟からなる。吹き抜け構造で真ん中に緩やかな傾斜の階段が付いている。道産のトドマツとカラマツを使用、床暖房を組み込み、エアコン2台を空気循環させることで真冬でも十分な断熱効果があるという。柱や梁をそのまま見えるようにしたほか、机や棚は壁に組み込んで建物を支える構造にしている。
募集により決定した入居4社は、隈研吾建築都市設計事務所のほか旭川ケーブルテレビ(旭川市)など4社。そのうちの隈健吾建築都市設計事務所は、3人で9日から「ヒガシワカサテライト」をスタートさせた。同事務所では空きスペースをシェアオフィスとして貸し出す予定にしている。事業費は4億4500万円。管理運営は町の第3セクター、東川町振興公社が行う。4棟の周囲には6月頃に広場や遊歩道が設けられ、美唄出身の彫刻家、安田侃氏の彫刻「天秘」も公開される。