宅配ピザ「ドミノ・ピザ」の北海道店舗網拡大が止まらない。6月下旬には函館に進出、これによって札幌、旭川、苫小牧、函館に宅配エリアを広げる。函館は、地元で生まれた「ピザ テン.フォー」の本拠地。「ドミノ・ピザ」はそこへ殴り込みをかける格好だ。
(函館では「ピザ テン.フォー」と「ドミノ・ピザ」の戦いが始まる=写真は「ピザ テン.フォー伏古店」と「ドミノ・ピザ伏古店」)

 北海道の宅配ピザ市場は、函館生まれのテンフォーが展開する「ピザ テン.フォー」、フォーシーズ(同・東京都港区)の「ピザーラ」、日本ピザハット・コーポレーション(同・神奈川県横浜市西区)の「ピザハット」、ストロベリーコーンズ(同・仙台市青葉区)の「ナポリの窯」などが札幌圏中心に競い合う構図だった。

 全国710店舗超を持つドミノ・ピザジャパン(同・東京都千代田区)の「ドミノ・ピザ」は、十数年前に札幌に進出していたが、2010年に撤退、一旦は北海道から姿を消した。それから10年、再度の出店を始めたのは昨年11月だった。同月27日に札幌市内に「東苗穂店」(札幌市東区)、「北15条東店」(同)、「西警察署前店」(同市西区)の3店舗を同時オープン。今年4月1日には「伏古店」(同市東区)、同月23日には「札幌北1条西店」(同市中央区)を出店、さらに5月28日には「清田一条店」(同市清田区)、6月末には、チーズタルト専門店「PABLOラウンドワン札幌白石店」跡に「白石本通店」を出店、札幌7店舗体制にする。

 6月下旬には「旭川二条通店」(旭川市)、「苫小牧桜木町店」(苫小牧市)、「函館亀田本町店」(函館市)をオープンさせて、札幌市以外でもシェア固めを進める狙いだ。とりわけ、函館進出は大きな意味を持ちそう。
 というのも、函館は1988年にスタートした「ピザ テン.フォー」発足の地だから。2017年に民事再生法を申請、翌18年にジー・テイスト(同・名古屋市北区)の子会社になったとは言え、現在も函館に本社を置く。同店は、函館市内に5店舗、北斗市に1店舗を構えており、「ピザハット」の函館市内3店舗よりも多い。そこへ殴り込む形の「ドミノ・ピザ」によって、函館の宅配ピザ市場は戦国時代に入るのは必至だ。

「ドミノ・ピザ」のこうした高速出店が可能なのは、直営店主義という戦略があるから。他のチェーン店はFC(フランチャイズ)展開を中心にしており、出店にはどうしても時間がかかってしまう。直営主義で時間を先取りする「ドミノ・ピザ」の全道展開がこれからも続きそうだ。



28人の方がこの記事に「いいんでない!」と言っています。