札幌圏最大の工業流通団地「石狩湾新港地域」。石狩湾新港を核とする総面積3000ha、JR山手線に囲まれた面積の実に半分という広さ。そこで今、建設ラッシュが起きている。(写真は、「大槻食材銭函物流センター」新築工事)
「石狩湾新港地域」の用地分譲が始まったのは1978年。40数年が経過した現在、機械・金属・食品などの製造業、卸売・倉庫・運送などの流通業・サービス業といった多種多様な企業約700社が進出、就労者数も約1万5000人を超えている。
そんな工業流通団地で今、工場や物流センターなど5ヵ所の建設が進んでいる。昨年11月中旬から建設が始まったのは、「大槻食材銭函物流センター」(小樽市銭函5丁目64ー1ほか)新築工事。大槻食材(本社・函館市)は、ホテルやレストラン・飲食店など外食産業向け業務用食材を取り扱っており、一般向けにも「大槻食品館」や「キャロット」を展開している。新物流センターの設計、監理はニッスイ・エンジニアリング一級建築士事務所(東京都港区)、施工は竹中工務店(本社・大阪市中央区)北海道支店(札幌市中央区)。工期は2022年4月末までとなっており、工事期間は約1年半にも及ぶ。
(写真は、北海道レンタルシステム「メンテナンスセンター」新築工事)
(写真は、北海道日野自動車「札幌北支店」建て替え工事)
今年3月中旬から建設に入ったのが、北海道レンタルシステム(本社・札幌市手稲区)の「メンテナンスセンター」新築工事と北海道日野自動車(同・同市東区)の「札幌北支店」建て替え工事。北海道レンタルシステムは、トラックやダンプ、クレーンのほか、アルミ合金製可搬式作業台、計測器、測量機器の賃貸などを行っているレンタル会社。銭函5丁目で建設が始まった「メンテナンスセンター」の設計はCITY REAL ESTATE(札幌市西区)、施工は丸彦渡辺建設(本社・同市豊平区)、工期は10月末まで。
北海道日野自動車札幌北支店の新社屋は、現社屋(石狩市新港西1丁目778—13)の隣接地に建設中で、設計、監理は上村建築設計事務所(札幌市中央区)、施工は西松建設(本社・東京都港区)札幌支店(札幌市北区)。工期は22年6月末までとなっている。
(写真は、大果「小樽工場」新築工事)
パッケージサラダや加工野菜の製造販売、量販店、外食業務用野菜の製造販売を行っている大果(本社・石狩市)は、4月初めから「小樽工場」(小樽市銭函5丁目68—11)新築工事を開始した。大果は、石狩湾新港地域に本社工場とサラダ工場を展開しており、同地域内に3つ目の工場で増産体制を敷く。設計、監理は創元設計(東京都豊島区)、施工は萩原建設工業(本社・帯広市)、工期は22年1月末まで。
(写真は、日建片桐リース石狩工場「第3保管棟」新築工事)
4月中旬から工事が始まったのは、仮設資材レンタルを手掛ける日建片桐リース(本社・札幌市中央区)の石狩工場(新港西3丁目737—6)「第3保管棟」新築工事。設計、施工は玉川組(本社・恵庭市)で工期は21年8月末となっている。さらにニトリホールディングス(札幌本社・札幌市北区)も間もなく新しい物流センター「石狩DC」(石狩市新港南2丁目725ー2)の建設に入る。竣工は22年5末の予定。石狩湾新港地域は、コロナ下でも活発な建設投資が続き、熱気を帯びている。