シャープが苫小牧東部地域で大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設を発表したように、道内各地でメガソーラー建設計画が明らかになっている。メガソーラーは、土地代が殆どかからない場合に、投資に対する収益率を示す指標「IRR」(インターナル・レート・オブ・リターン)が20年間で16%に及ぶため、投資利回りの良い物件。ただし金利は変わらず電力会社の買い取り価格も1㌔㍗時当たり42円が続くと仮定した場合。
 
 金融に詳しい大学教授がメガソーラーのIRRを試算したところ、土地代をタダ同然とすると20年間で16%にもなることがわかった。前提条件として、土地代のほかに20年間に亘って金利が固定され、買い取り価格も現状の42円が継続するとした場合だ。
 
 土地代がかからないとすると、投資に要するのは太陽光パネルの購入費用と設置費用、それに送電線までの接続費用。太陽光パネルは、中国のBYD社製が低価格で高性能とされメンテナンス費用も殆ど必要がないという。
 
 その結果、IRRは16%と高利回りの収益率を示し、投資商品としては魅力的ということがわかった。道内の中小企業などでは遊休不動産を抱えているところも多いため、送電線が近くにあるような遊休地にメガソーラーを設置すれば効率の良いサイドビジネスにもなる。
 
 もっとも、IRR16%を確保できるのは日本のような治安の良さが不可欠。ケーブルが切断されるような事態になれば利回りは一気に低下する。つまり、メガソーラーの高い利回りは日本的な性善説に基づくというもの。高さ2㍍にも及ぶフェンスをメガソーラーの周囲に張り巡らせて監視カメラも付け、不審者の侵入を防止するような高度なセキュリティシステムを導入すると「IRR16%はとても無理」(大学教授)。
 
 メガソーラーは性善説あってこそのビジネスという側面もあるようだ。


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