創業97年、札幌狸小路商店街の老舗「松山額縁店」2月28日閉店、松山真也社長「私の力不足」

経済総合

 札幌狸小路商店街の老舗がまた一つその灯を消す。創業97年の「松山額縁店」(札幌市中央区南3条西5丁目33番地、狸小路商店街5丁目南)は2月28日(日)で閉店、3月末で解散する。額縁や画材の価格競争が激しくなっていることやコロナ禍の影響で来店客も減少、今後の営業継続は難しいと判断した。(写真は、1階も店舗として使っていた当時の「松山額縁店」=同店提供)

 松山額縁店は、大正13年に東京日暮里で額縁製造を開始した故松山清十郎氏が、同15年に札幌の南4条西9丁目で「松山賞美堂」を開店したのが札幌での始まり。当時、札幌では額縁を製造する店がなく、工場を設置して額縁製造を始め、昭和3年には狸小路1丁目に移転した。戦時中から戦後にかけて、札幌を離れて岐阜県美濃加茂市や名古屋市で額縁製造を行っていたが、昭和28年に、当時の帝国座オーナーから声を掛けられて札幌に戻り、帝国座の工作場で額縁を作るなどした。その後、店舗や工場を移設しながら昭和39年に株式会社松山額縁店として法人化、清十郎氏の長男、雄策氏が社長を務め、昭和46年に狸小路5丁目の現店舗に移転した。

 近年になって額縁や画材、絵画の販売は、ネット通販の普及などによって減少傾向にあるほか、学校向けの納入では競争入札によって価格競争が激化。同社も最盛期には年商4億円だったが、近年では5~6千万円に下がっていた。
 3年前には、4階建て店舗の1階をカルビーのご当地じゃがりこなど限定商品を販売する「カルビープラス」とキットカットなどネスレ日本の限定商品を集めた「サッポロスーヴェニールショップ」に賃貸(現在は、ゲームセンターの「ギャラクシーゲート札幌」)したが、業績低下に歯止めがかからなかった。さらに昨年来のコロナ禍によって、高齢の常連客などが来店を控えるようになり、今後の業績回復は難しいと判断し閉店、解散を決めた。

 同店では閉店日の28日まで、在庫の額縁を半額で販売するほか、絵画も特別価格で販売する最後のセールを実施する。

 雄策氏の長男で平成11年から社長を務める真也氏(55)は、「暖簾を下ろすのは大変残念だが、誰にも迷惑をかけないうちに会社を閉じることも必要だと閉店を決意した。ただただ、私の力不足」と話す。会社は3月末で解散してその後清算業務に入り、6月頃に清算が結了する予定となっている。

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