「成吉思汗 大黒屋」(旭川市4条通5丁目)を経営する大黒商事が、「カレーハウスCoCo壱番屋」を国内外で展開する壱番屋(本社・愛知県一宮市)に全株を譲渡、子会社化されたことが分かった。譲渡日は、2020年12月29日。(写真は、「成吉思汗 大黒屋」)

 ジンギスカン専門店の「大黒屋」を営む大黒商事は02年に織田賢児氏が創業、06年に有限会社になった。観光客の人気が高く、SNS上では、「今まで食べたジンギスカンの中ではNo.1」、「旭川が誇るジンギスカンの名店」、「味わい深いジンギスカンの名店」などと評判になっている。

 開店時刻の午後5時前には予約客が行列をつくり、予約をせずに来店した人たちは、店舗向かい側に設けられた「待合所」で待機するなど、市内で最も繁盛している店の一つ。札幌の「成吉思汗 だるま」と同様、七輪の炭火でジンギスカンを焼き、自家製タレにつけて食べるスタイル。 

 昭和通りに面した4条通7丁目の建物内に居抜きで「本店」を出店、10年には「5丁目支店」(4条通5丁目)をオープン。「本店」は建物老朽化のため16年に閉店し、現在は「5丁目支店」だけで営業している。年間売上高は約3億円とみられる。

 壱番屋は1978年、名古屋市内に「カレーハウスCoCo壱番屋」をオープン、82年に株式会社化した。国内外で「カレーハウスCoCo壱番屋」など1480店舗(20年11月末)を展開。05年に東京証券取引所1部に上場している。20年2月期の売上高は、996億円(直営・FCを含む全業態)。旭川内では、「カレーハウスCoCo壱番屋」の「旭川環状通店」(永山7条4丁目)と「旭川神居店」(神居2条1丁目)の2店舗を展開している。

 壱番屋広報室は大黒屋を子会社化した理由について、「商品力がすばらしく、(店舗の)知名度も高い。ジンギスカンは世界で食べられているヘルシーな肉」と語る。ただ、「全国的にどう店舗展開をするかは未定。また、旭川市内の店舗増についても現在のところ予定はない」と答える。株式の取得額は非公表。

 市内の飲食業界では、「織田賢児社長のメガネにかなう後継者がいなかったことが株式売却の理由ではないか」と言われている。「大黒屋」の店名は残り、織田社長は役職の付かない会長として今後も運営に携わる。


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