カラオケとゲームセンターのアミューズメント施設「キャッツアイ」を展開する北東商事(本社・札幌市)が8日、札幌市内など26ヵ所でパン専門店「ボストンベイク」を展開するボストン(同・札幌市北区)の全株式を取得、子会社化した。(写真は、DCMホーマック発寒追分店内の「ボストンベイク発寒店」)
ボストンの代表取締役を務める津田彰彦氏は、元「パンの北欧」の役員。バブル期に札幌市内で一世を風靡した「パンの北欧」を共同創業、技術面を支えたが、FC(フランチャイズ)などで店舗を急速拡大する経営に異議を唱えて退社、1985年にボストンを設立した。
焼きたての美味しさと低価格をセールスポイントに直営店を展開。路面店のほか食品スーパー内への出店や、ホームセンター内への出店も進めた。津田氏はパン以外にも興味を待ち、最近は自ら豚骨スープの仕込みをするラーメン店(八味一心=札幌市北区新川3条6丁目)を1店舗展開。現在は、札幌市、江別市、岩見沢市に「ボストンベイク」25店舗、「八味一心」1店舗の計26店舗あり、年商は約17億円。
職人肌の津田氏は、70歳を迎えて体力面で不安があるとして昨年春頃から道内地銀に事業承継の仲介を依頼。昨年末には「カラオケ歌屋」や「監獄カラオケ」などを展開するタカハシ(網走本社・網走市、札幌本社・札幌市西区)のグループ会社、北東商事が承継することで合意していた。正式契約日を1月8日にしたのは、大安と末広がりの縁起を担いだため。
ボストンの資本金は1000万円で、株は津田氏と親族が全株所有していたが、8日付で北東商事が取得。取得額は非公表。津田氏は顧問に退き、代表取締役には北東商事の髙橋徹氏が就任した。髙橋氏は、「北東商事の事業と重複しない上、既に基盤のある事業を承継することで成長に繋げることができる。また、私自身も含めて多くのファンがいる『ボストンベイク』のブランドを残したかったため」とM&A(企業の買収・合併)の理由を話している。商業施設内への出店など、営業戦略の変更は当面ないという。
「キャッツアイ」は、札幌市内8店舗、恵庭市と新ひだか町に各1店舗、関東に3店舗を展開している。